Project/Area Number |
19H00797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 23:Architecture, building engineering, and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田邉 新一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30188362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 純 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (60875293)
對馬 聖菜 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (10801251)
尾方 壮行 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員 (90778002)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥30,030,000 (Direct Cost: ¥23,100,000、Indirect Cost: ¥6,930,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2020: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
Fiscal Year 2019: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
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Keywords | 温熱環境 / 快適性 / 人体熱モデル / 生理・心理量 / 健康リスク / 熱的快適性 / 生理量 / 心理量 / 波長特性 / 発汗サーマルマネキン / 個人差 / サーマルマネキン / 代謝量 |
Outline of Research at the Start |
近年、多様性を考慮した温熱快適性・健康性を評価する手法の必要性が高まっている。これを実現するには、①体躯、年齢、性別、体質などの個人差や季節差の考慮、②睡眠環境、屋外環境、入浴環境などへの適用範囲の拡張、③生理量のみではなく、総合的な温熱快適性・健康性を評価する手法の確立の3課題の解決が必要になる。 これらの課題に対し、本研究では、1)詳細な生理量調査・測定、2)着衣モデルの開発、3)新たな温熱快適性シミュレータの開発、4)被検者実験データベースの構築、5)非定常環境への応用、の5つの研究項目を進めることで、体温調節数値計算モデルを用いた、総合的な温熱快適性・健康性評価手法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人体を取り巻く様々な温熱環境に対する温熱快適性評価や健康性評価を行うことを目的としており、2022年度は主に以下の2課題に取り組んだ。 1)皮膚モデルの開発:2021年度の予備実験に引き続き、皮膚モデルを様々な温熱環境や手背以外の部位へも適用するために、手背部に加え、前腕部、大腿部、下腿部、頬部に異なる波長帯域放射を照射する被験者実験を行った。実験の結果、手背部以外の人体部位においても遠赤外放射は近赤外放射に比べより強い暑さ感を与えること、下腿部の温熱感度は他の3部位に比べ鈍感であることが示された。以上の被験者実験の結果に関して、国内学会に投稿した。 2)半屋外空間における被験者実験:非定常環境下におけるTATシミュレータの応用を目的として、様々な半屋外環境で被験者28名を対象に実験を行った。本実験で詳細に得られた半屋外環境の物理量および人体の生理量・心理量測定データは、非定常環境下におけるTATシミュレータの予測精度検証および改良に寄与する。新型コロナウイルス感染症環境下で被験者実験の実施が難しい中、検証が可能なデータを取得することができた。 シミュレータの開発や応用については、着衣の吸放出モデルの開発は未だ至っていないが、体温調節モデルJOS-3との連携が可能な、皮膚感覚量を予測する皮膚モデルを開発した。また、非定常環境下におけるJOS-3の応用のために、半屋外環境で取得した実測値とシミュレータの予測値を比較し、予測精度検証および改良の検討を行っている。また、実務での応用も想定した3DCAD上でのシミュレータも連成が進んでいる。これら今年度の研究成果は、学会(国際学会、日本建築学会、空気調和・衛生工学会大会)での発表を6件行った。JOS-3のプログラムはカリフォルニア大学バークレー校と共同でモデルのライブラリとして公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年間の研究計画において、研究前半の2年間は主にモデルの条件整理や被験者実験などを行い、後半の2年間はシミュレータの開発や応用を行う予定であった。 モデルの条件整理については、年齢、性別、人種などによる体組成の個人差に関する文献調査を行い、代謝量の入力条件を整理した。さらに、体温調節モデルJOS-3において個人属性に応じた代謝量および全身温冷感の推定が可能となった。被験者実験に関しては、非定常環境である半屋外環境において被験者28名を対象に実験を行い、詳細な人体の生理量および心理量のデータを測定した。さらに、皮膚モデルの適用範囲拡張のために、昨年度より実験条件を拡張し、人体各部位に対する皮膚温熱感に与える影響を被験者実験によって調査した。新型コロナウイルス感染症のため被験者実験の遂行に関しては制約があるが、多くの実験を行うことができた。そのため、前半2年で行うモデルの条件整理や被験者実験に関する研究遂行状況は順調である。 後半の2年で行うシミュレータの開発や応用については、着衣の吸放出モデルの開発は未だ至っていないが、体温調節モデルJOS-3との連携が可能な、皮膚感覚量を予測する皮膚モデルを開発した。また、非定常環境下におけるJOS-3の応用のために、半屋外環境で取得した実測値とシミュレータの予測値を比較し、予測精度検証および改良の検討を行っている。また、実務での応用も想定した3DCAD上でのシミュレータの連成検討も進んでいる。これら今年度の研究成果は、学会(国際学会、日本建築学会、空気調和・衛生工学会大会)での発表を6件行った。JOS-3のプログラムはカリフォルニア大学バークレー校と共同でモデルのライブラリとして公開した。したがって、現在までの総合的な研究の進捗状況として、(2)おおむね順調に進展しているという評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、体温調節モデルを基盤としたTATシミュレータの開発および応用を目指し、以下の2課題を中心に研究を進める。 1)新たな温熱快適性シミュレータ(TAT)の開発:体温調節モデルJOS-3を基盤としながら、着衣モデル・皮膚モデルと連携することで、温冷感・快不快感予測、血圧予測、熱中症予測手法の確立を行う。Pythonを用いたプログラム開発により統合した、「温熱快適性・健康性評価数値シミュレータ(TAT)」を開発する。さらに、実務での使用も念頭に置き、3D-CAD上においてTATシミュレータを用いる環境を構築し、人体生理量に基づいた温熱快適性・健康性評価を設計へフィードバックする手法に関しても検討を行う。 2)非定常環境におけるTATシミュレータの応用:昨年度の被験者実験により得られた物理環境測定データおよび人体生理量・心理量測定データを基に、個人属性を考慮した非定常環境下でのTATシミュレータの予測精度検証および改良を行う。不足しているデータについては、非定常環境での更なる被験者実験を実施する予定である。その後TATシミュレータを用い、屋外日射環境や非居室空間、寝床内環境など様々な非定常環境を再現することで、複雑な温熱環境における多様性を考慮したシミュレータの活用について検討を行う。
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