Development of a simple high sensitivity 90Sr detector based on the simultaneous measurement with tandem type of proportional counters under high radiation background
Project/Area Number |
19H00879
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 31:Nuclear engineering, earth resources engineering, energy engineering, and related fields
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 慶造 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 研究教授 (00134065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺川 貴樹 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (10250854)
人見 啓太朗 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60382660)
田中 香津生 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, リサーチフェロー (20780860)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥41,860,000 (Direct Cost: ¥32,200,000、Indirect Cost: ¥9,660,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2020: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2019: ¥19,370,000 (Direct Cost: ¥14,900,000、Indirect Cost: ¥4,470,000)
|
Keywords | 90Sr / ベータ線 / 90Sr検出器 / 簡易測定 / 高放射線場使用 / 放射線工学 / ビーム科学 / ストロンチウム90 / 飛程 / 比例計数管 / 阻止能 |
Outline of Research at the Start |
90Srは半減期が28年と長く体内に入ると骨に集積するため、危険性の高い放射性同位元素である。福島の帰還困難地域の土壌は90Srで汚染されており、同地域の早期復帰には多量の試料を迅速に検査できる方法が必要不可欠である。そこで、2連の比例計数管を用いて、β線の連続エネルギースペクトルを単色の時間差スペクトルに変換することにより、β線を容易に計数でき、更に、プラスチックの薄板を用いて低エネルギーβ線をカットし、90Srと放射平衡にある娘核種90Yからのβ線(最大エネルギー2.28MeV)を抽出する等のアイデアに基づき、高放射線場で高感度・簡易測定で可搬可能なβ線検出器システムの開発を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高放射線場の野外において試料の化学処理なしに簡易に90Srの比放射能が測定できるβ線の計測に基づいた方法を開発し、福島県の帰還困難地域の早期復帰に向けての90Srに対する安全性の調査に応用することを目的とし、5段階(令和1 年度~令和5年度)で研究目的を達成する。令和3年度(令和3年4月~令和4年10月。)は令和2年度で開発したミューオン除去機能を持った2連の比例計数管からなるβ線4π検出システムの性能評価を行った。また、可搬型90Sr検出器の開発および試料調整法の検討も行った。 令和2年度において、プラスチックシンチレーターを用いたミューオン信号の除去により検出限界値を下げることができた。しかし、バックグランドは依然として存在しており、ガンマ線の比例計数管内での光電効果又はコンプトン散乱による疑似ベータ線の検出と考え、厚さ5cmの鉛ブロックで覆うことによってガンマ線の侵入を防ぐ手当をしたところ、バックグラウンドは2/3に減少した。 90Srのホットスポットは高エネルギーβ線の測定によって見つけられる。高線量地域は137Csが多く存在しており、137Csからは514keVのベータ線が多く放出されるので、このベータ線を抑えて、90Srの2280keVのベータ線を測れる可搬型のベータ線検出器を考案した。測定原理は、本研究で開発されたβ線検出器と同じである。これにより、帰還困難地域の90Srのホットスポットを見つけることが可能になった。 試料調整の方法として野外および室内でも実施できる方法を検討した。我々が測定対象としているのは、主に動植物である。先ず、試料を各部位に切り分け、それらをホモジナイザーによって粉砕し、さらに強力な粉砕機によって細胞レベルまで細かくし、次に凍結乾燥機で水分を除去し、粉末試料にして、90Srが試料中に一様な状態に整える方法を考案した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
90Srの高線量地域は、137Csの高線量地域とほぼ一致しており、その地域は現在、帰還困難地域に指定されている場合が多い。しかしながら、相馬市の場合のように、137Csの線量は比較的低いが90Srの線量が高いホットスポットが存在している場合がある。一般に90Srは化学分離された90Yの測定によって検出しているため、手間暇がかかるため、それほど熱心に調査が進められていない。本研究で開発された可搬型90Sr検出器は、90Srのホットスポット探索に利用でき、帰還困難地域の復興に貢献できるものと期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
農作物中の90Srの放射能が基準値以下であることを示すには、検出下限値が低ければ低い程良いことが望まれる。我々のシステムは、ミューオン除去により検出限界値を非常に上げることができたが、バックグラウンドは0にはなっていない。そこで、令和4年度は、プラスチックシンチレーターの配置、形状などの幾何学的構造とミューオンイベントとの関係を調べ、農作物中の90Srの比放射能が基準値以下の下限値を持つように工夫する。試料の収集は、福島県の農林水産部水産課の協力、福島県の農水産物の放射性核種汚染研究を行っている研究者との共同研究も考慮した90Srの汚染検査を展開していきたい。
|
Report
(4 results)
Research Products
(1 results)