イネ小胞子に潜在する個体分化能と倍数化能を活用した育種基盤の新構築
Project/Area Number |
19H00937
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 39:Agricultural and environmental biology and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
貴島 祐治 北海道大学, 農学研究院, 教授 (60192556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 敏央 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (00442830)
長岐 清孝 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (70305481)
小出 陽平 北海道大学, 農学研究院, 助教 (70712008)
金 鍾明 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (90415141)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥45,890,000 (Direct Cost: ¥35,300,000、Indirect Cost: ¥10,590,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2019: ¥19,370,000 (Direct Cost: ¥14,900,000、Indirect Cost: ¥4,470,000)
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Keywords | イネ / 小胞子 / 個体分化能 / 倍数化能 / 育種 / 葯培養 / イネ種間雑種 / 非還元減数分裂 / 雑種不稔性 / 育種基盤 |
Outline of Research at the Start |
植物の未成熟葯を培養すると、小胞子からカルスや胚が形成され植物個体が得られる。葯培養は広い植物種で普及した技術であるが、なぜ小胞子が高い個体分化能を保持するのか、未だに明らかではない。本申請に先駆けて、アジアイネとアフリカイネのF1雑種の葯培養から倍数性を獲得し稔性を有する複数の個体を得た。本研究では、イネの小胞子がもつ個体分化能を理解し、小胞子から直接植物体を得る培養法を開発する。倍数体がなぜ発生し、アジアイネとアフリカイネの雑種不稔を回避できたのかを探る。得られた知見をもとに、新しい育種素材として異なるゲノムを持つ4倍体を小胞子培養によって作出し、育種基盤の構築をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1)小胞子から個体分化を誘導するメカニズム、2)イネ小胞子から効率的に個体を再生するシステムの構築、3)イネ種間雑種の葯培養個体で誘導される倍数性の発生メカニズムの解明、4)イネ種間雑種の葯培養個体によって雑種不稔性を回避する遺伝機構の解析、5)葯培養個体から生じた倍数体種間雑種による新しい育種材料の開発、の5つの問題から構成されている。2020年度は主に2)と4)について進展があった。2)について本研究では、葯から抽出した小胞子を直接培養することによって効率的に植物体再生を行うことが可能かどうかをキタアケを用いて行った。培地を検討するため、葯より抽出した小胞子に対してN6液体培地とすべての成分を10倍希釈した1/10 N6液体培地を用いて培養を行った。興味深いことに希釈培地でもカルス形成が確認された。誘導されたカルスに対して再分化処理を行い、1/10 N6液体培地に由来するカルスにおいても植物体が再生された。カルス形成率に着目すると培地の濃度によるカルス形成率への影響はなかった。しかし、培養過程にある小胞子生存率は1/10 N6培地中で大きく低下することが確認された。このことから、希釈培地では、カルス形成に関与しない小胞子が死滅したことが考えられる。両培地において葯に由来するカルスは、360葯から280個以上誘導された。これらカルスの再分化実験では、1/10 N6培地に由来するカルスは、N6液体培地に由来するカルスの再分化率を大きく上回った(1/10 N6液体培地:21%、N6液体培地12%)。さらに再分化後の馴化段階での枯死率も1/10 N6培地に由来の個体が低く安定的だった(1/10N6液体培地: 6%、 N6液体培地:22%)。したがって、カルス誘導培地の違いにより、再分化の効率が異なることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を構成する上記5つの小課題については、同時並行的に進行しながら、各分担者と共同で研究を進めている。現在までのところ特に進んでいる研究は4)である。新規の雑種不稔性遺伝子の同定および四倍体種間雑種から還元した二倍体個体をもちいて、稔性に関連する遺伝的変異を検出し、現在それに関わる遺伝領域の同定をQTL解析を使って進めている。現在、候補となる遺伝子領域を見出しその領域について詳細な解析を行なっているところである。見出された遺伝領域に雑種不稔性に関連する既知の遺伝子は座乗しておらず、雑種不稔とは関連性の低い別の機能を持つ遺伝子が、四倍体種間雑種とそれに由来する二倍体の還元系統の稔性を支配している可能性が考えられる。これらの二倍体還元系統はアジアイネとアフリカイネの両方のゲノムを半分ずつ有するため、稔性の高い系統は新たな遺伝資源としても期待できる。こうしたスピンオフな進展も観察されることから、研究の進捗としては面白い展開を示してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究の進展があった小研究課題1)小胞子から個体分化を誘導するメカニズムについて、具体的なデータを提示していく予定である。これまでの成果については、随時論文として発表していく予定であるが、2021年度に発表した論文の一部も前年の成果報告に含めて研究成果として提示した。今後研究も後半に入り、得られた研究業績をコンスタントに発表することを心がけていきたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Development of phenotyping system using low altitude UAV imagery and deep learning2021
Author(s)
Lyu Suxing、1. Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo, Kashiwa 277-8561, Japan、Noguchi Noboru、Ospina Ricardo、Kishima Yuji、2. Graduate School of Agriculture, Hokkaido University, Sapporo 060-8589, Japan、3. Research Faculty of Agriculture, Hokkaido University, Sapporo 060-8589, Japan
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Journal Title
International Journal of Agricultural and Biological Engineering
Volume: 14
Issue: 1
Pages: 207-215
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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