ムギ類種子休眠性遺伝子の分子進化機構の解明と精密育種技術の開発
Project/Area Number |
19H00943
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 39:Agricultural and environmental biology and related fields
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 和広 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (60215770)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安倍 史高 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 次世代作物開発研究センター, 主任研究員 (30370547)
大西 一光 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50526704)
久野 裕 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (70415454)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥45,370,000 (Direct Cost: ¥34,900,000、Indirect Cost: ¥10,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2020: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2019: ¥14,040,000 (Direct Cost: ¥10,800,000、Indirect Cost: ¥3,240,000)
|
Keywords | 育種 / 遺伝子 / 相互作用 / 穂発芽 / 進化 / ゲノム編集 / 遺伝解析 / 育種技術 / DNAマーカー |
Outline of Research at the Start |
ムギ類の種子休眠は雨の多い地域で収穫前に穀粒の芽が出る「穂発芽」を防ぎ、ビール醸造に用いる麦芽を均一に加工するために重要な形質である。ムギ類を適度な休眠レベルにするには個々の遺伝子の機能を理解して組合せる必要がある。本研究ではこれらの遺伝子を中心に、休眠性遺伝子の自然変異をカタログ化し、形質転換およびゲノム編集による改変で遺伝子を制御して、組換えタンパク質などによって遺伝子機能を確認する。さらに、複数の遺伝子とその変異が組合さって世界各地で進化したオオムギ品種の休眠性変異の成立過程を解析する。最終的に目的とする種子休眠を得るための自然および人為変異の組合せを精密に制御する育種戦略を提案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
1)Qsd1の解析と制御:a)野生オオムギと栽培オオムギで異なるアミノ酸置換のアレル別過剰発現個体を3種類作出し、T1での分離の様式からT2個体を選抜して表現型検定のための栽培中で、次年度休眠性程度を評価する。b)ゲノム編集によって作成したノックアウト変異体のT2個体を栽培して発芽試験を実施した。c)コムギTaQsd1を例としたゲノム編集についてのプロトコルを取りまとめて学術雑誌に論文出版した。d) コムギの主要品種「春よ恋」と「きたほなみ」の人為変異集団からのQsd1配列の変異体の選抜を継続した。 2)他の遺伝子の解析と制御:a)ゲノム編集によってオオムギ種子休眠性遺伝子Qsd2の変異導入に成功し、選抜固定ののち、栽培して休眠性の表現型を確認し、Qsd1と併せて発芽試験を行った。その結果、野生型に比べてゲノム編集オオムギの発芽は抑制された。b)イネの種子休眠性遺伝子Sdr1のオルソログである TaSdr1についてゲノム編集を実施したところ編集個体には明確な形質の差異が認められず、遺伝子機能の冗長性のためと考えられたため、コムギゲノム内で相同なドメインを持つ390遺伝子の系統樹を作成して4つの候補遺伝子を絞り込んだ。 3)遺伝子進化相互作用解析:a)新規にGenotype by Sequence法でオオムギ約千系統について約7万のマーカーの作出を実施したが、海外への委託分析が遅れ気味であり、ゲノムワイドアソシエーション解析(GWAS)については、解析環境を整備して次年度に実施を予定している。b)休眠型のqsd1を持っているにもかかわらず休眠しないエチオピア在来品種と「はるな二条」(休眠短)の交雑、野生オオムギ(休眠長)と「はるな二条」の交雑、野生オオムギとエチオピア品種の交雑に由来するQTL解析を反復実施した。次年度2年分のデータを解析して取りまとめる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オオムギの形質転換体およびゲノム編集による種子休眠性の変異体作成は順調であり、休眠試験、植物ホルモン分析等にも着手済みで、休眠メカニズムの一端を解明できる段階にある。TaQsd1編集コムギについて、栽培品種の遺伝背景に戻し交配により導入した材料の作成が完了し、野外試験の準備まで進展している。 マーカー作成は海外への委託分析が遅れたため、データ解析はこれから進める予定である。特に平成元年度にはオオムギ系統の遺伝子転写産物の全長解読を実施する予定であったが、実施研究機関である英国ジェームスハットン研究所がコロナウイルスによるロックダウン等の影響で、委託解析できなくなり、その分の経費を繰越した。平成2年度に予定通り解析が終了し、経費を支出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進に大きな問題はなく、論文出版も順調で、追加の原稿も準備されている。委託分析の遅れによって、その後の解析がやや遅れているが、次年度に問題なく進められると考えている。
|
Report
(3 results)
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Genome-Edited Triple-Recessive Mutation Alters Seed Dormancy in Wheat.2019
Author(s)
Abe, F., Haque, E., Hisano, H., Tanaka, T., Kamiya, Y., Mikami, M., Kawaura, K., Endo, M., Onishi, K., Hayashi, T. and Sato, K.
-
Journal Title
Cell Reports
Volume: 28
Pages: 1362-1369
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-