Budget Amount *help |
¥45,110,000 (Direct Cost: ¥34,700,000、Indirect Cost: ¥10,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2020: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
Fiscal Year 2019: ¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
自然環境音に含まれる人間の耳に聴こえない超高周波が、内受容感覚や自律神経系と密接な関係のある耐糖能におよぼす影響を、糖尿病の標準的な検査法である経口ブドウ糖負荷試験をもちいて検討した。糖尿病の治療を受けていない健康な研究参加者25名を対象として、以下の3つの異なる音条件のもとで経口ブドウ糖負荷試験を実施した。1.超高周波を豊富に含む自然環境音(Full-range sound; FRS)、2.同じ自然環境音から20kHz以上の超高周波を除外した音(High-cut sound; HCS)、3.暗騒音のみ(No sound; NS)。標準的な経口ブドウ糖負荷試験の手順に従って、75グラムのブドウ糖を含む溶液を飲んだ後、15分ごとに2時間血糖値を計測し、音条件の違いによってブドウ糖負荷後の血糖値上昇がどのように変化するかを調べた。 その結果、超高周波を豊富に含む自然環境音(FRS)を聴いている時には、全く同じ音から超高周波だけを取り除いた自然環境音(HCS)を聴いている時や、暗騒音のみの時(NS、通常の検査環境)と比較して、ブドウ糖を摂取した後の血糖値の上昇が顕著に抑えられることが明らかになった(反復測定分散分析による音条件主効果P = 0.000012, FRSとHCSの比較 P = 0.000012, FRSとNSの比較 P = 0.0018)。加えて、超高周波を含む音による血糖値上昇の抑制効果は、年齢の高い人やHbA1cの高い人(日常的に血糖値が高めの人)など、糖尿病のリスクが高い人でより顕著に認められた。 今回の発見は、音や光といった感覚情報が脳神経系を介して治療効果や予防効果をもたらす〈情報医療〉を切り拓くものであり、物質医療ではアプローチすることが難しい領域の治療を補完することが期待される。
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