近世ヨーロッパにおけるキリスト教的ストア主義の生成と展開に関する人間学的研究
Project/Area Number |
19H01182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
津崎 良典 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10624661)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 新ストア主義 / リプシウス / デュ・ヴェール / セネカ / エピクテトス / ストア主義 / キリスト教的ストア主義 / キケロ / 道徳 / 不屈 / 恒心 / アウグスティヌス / ボエティウス / constance ; constantia / マルクス=アウレリウス / constantia / デカルト / シャロン |
Outline of Research at the Start |
古代ストア主義は16世紀ヨーロッパにおいて、とりわけセネカの思想を中心に、リプシウス、デュ・ヴェール、シャロンらによって受容された。しかし、そのプロセスは無償ではなく、キリスト教的な観点から修正され、キリスト教的ストア主義と呼称しうる新思潮を形成した。本研究はこの新思潮について、人間学という主題から切り込んだときに見えてくる特徴(その全体像は何か、三者のあいだに共通点はあるか、相違点はあるか)を明らかにする。その成果をもって、デカルトを中心とした次世代による人間学的考察における、キリスト教的ストア主義への応答について、一定の見通しを立て、従来の西洋哲学史モデルの再検討を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究においてキリスト教的ストア主義と仮説的に呼称している思潮を代表する思想家の一人デュ・ヴェールの『ストア派の道徳哲学』(1598年)について、日本語初訳の作成、ならびに内容の分析に傾注した。全訳は推敲中であり、本研究完了時までに発表予定である。内容については、以下のことを明らかにした。デュ・ヴェールは、エピクテトス『提要』をフランス語に訳しつつ、これは「美しいが不十分な作りの部品から成る」と述べているように、連続的なプランが欠如していると考えた。これを補うべく、『提要』から30以上の断片を集めて、それを新しい順番に並べ替えつつも(したがって、いわゆる「寄せ集め」「継ぎはぎ」と呼ばれる文学ジャンルに属す)、その思想をキリスト教に引き寄せて展開した、その限りで自身にオリジナルな、しかも当該主題に関する最初の本格的なフランス語による書物として『ストア派の道徳哲学』を執筆した。内容は以下の通りである。第一部では、ストア派の基本教義(最高善、徳、幸福、思慮、まっすぐな意志、情念)の紹介がなされる。第二部では、同意の統御について、エピクテトスに依拠した説明がなされる。第三部では、欲求の統御に関する考察、ならびに諸情念の一覧表が提示される。第四部では、「適切なこと」(キケロに依拠しつつ、キリスト教化された理解)の一覧表、集団の尊重、行為と会話における節度、不屈、思慮、希望、忍耐という徳について説明される。最終部では、ストア派的かつキリスト教的な霊的訓練が「良心の吟味」として提唱されると同時に、私たちの力だけでは不十分な浄化という企図を完成させ、かつ、これを永続的なものにする「神への祈り」が掲げられる。論考の全体は、基本教義の反復の印象が強いが、これは読者を説得するためと考えられる。キリスト教的ストア主義の具体像の解明のために、第四部と最終部の分析に多くの時間を割いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『ストア派の道徳哲学』の日本語訳を試訳の段階ではあるが、一通り終わらせられたことが大きい。内容の分析が格段に容易になるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
キリスト教的ストア主義の具体像の解明という観点から、1)『ストア派の道徳哲学』のいかなるストア派的言説がいかにしてキリスト教化されたのかという問いのさらなる解明(今年度の研究成果を引き継いだしかたで)、2)研究者によってそのストア主義の痕跡の評価が別れるデュ・ヴェール著『聖なる哲学』(?年)の読解と分析(今年度の研究成果をさらに発展させるため)、3)リプシウス『精神の不屈について』(1584年)との関係性に傾注したデュ・ヴェール著『社会の災禍に際しての精神の不屈と慰めについて』(1590年)の読解と分析(同上)。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)
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[Book] 身と心の位相2021
Author(s)
津崎良典ほか
Total Pages
434
Publisher
青簡舎
ISBN
9784909181350
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