Project/Area Number |
19H01204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小村 優太 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (20726822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 渉 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 助教 (70726588)
小林 剛 聖心女子大学, 現代教養学部, 非常勤講師 (70753846)
山崎 達也 公益財団法人東洋哲学研究所, その他部局等, 主任研究員(移行) (70838557)
西村 洋平 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (90723916)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 新プラトン主義 / プロティノス / プロクロス / アラビア哲学 / アヴィセンナ / ドイツ・ドミニコ会 / 中世哲学 / 後期新プラトン主義 / ディオニュシオス / 東方キリスト教 / 原因論 / 後期古代 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、アラビア哲学において新プラトン主義思想がどのように受容されたのかを解明し、その後の哲学史に与えた影響を調査することにある。プロクロス『神学綱要』、アラビア語翻案『純粋善について』、ラテン語訳『原因論』を中心テクストとして取り上げる。 ギリシア語からアラビア語、アラビア語からラテン語へと翻訳されていく過程で、どのような思想の変遷を経ているのかを、上記中心テクストと周辺テクスト、注釈を手掛かりにして、哲学・宗教・言語・文化など多様な視点で明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は新プラトン主義と中世ラテン哲学との関係性にかんするシンポジウムを中心として組み立てられた。そのため、研究分担者の山崎達也氏をコーディネーターとして、国内シンポジウム「ドイツ・ドミニコ会とエックハルト」をZoomにて開催し、20名以上の参加者と共に3名の提題者による発表が行われた。それぞれの提題者によって、マイスター・エックハルト(1328頃歿)と、その影響を受けて発展したドイツ・ドミニコ会との思想的関連性が、新プラトン主義という補助線を用いて論じられた。 一方で科研プログラム主催の活動以外に目を向けると、中世哲学会においては、「翻訳としての中世哲学」というテーマのもと、研究代表者、研究分担者による企画、発表が行われ、とりわけ研究分担者の西村洋平氏によって、新プラトン主義者ポルフュリオスの著作にたいするラテン語訳の問題が論じられ、ギリシア語で展開された新プラトン主義思想がラテン語においてどのように再/解釈されたのかが明らかにされた。同じく西村洋平氏によって開催されたプロティノス・セミナーにおいて、プロティノスの論考の精読が行われ、国内のプロティノス研究者をはじめ、多数の参加者に恵まれた。更に研究代表者、研究分担者らが主催するギリシア・アラビア・ラテン哲学会においても、研究分担者たちの発表をはじめとして、多数の新プラトン主義に関連する研究発表が行われ、新プラトン主義研究にかんする国内のコミュニティ形成を推し進めることもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は国内シンポジウムを開催し、また研究代表者、分担者を含めて個人発表などの研究推進を精力的に行った。またプロティノス・セミナーやギリシア・アラビア・ラテン哲学会などの研究会、学会と共同することにより、本科研と関連する研究の成果にかんする広範いなアウトリーチも達成した。 一方で、2020年度から延期したアモス・ベルトラッチ氏の招聘に伴う国際会議の開催については、2021年度も引き続きコロナ禍のために延期せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までに、ギリシア、アラビア、ラテンそれぞれの分野における新プラトン主義の展開を中心とするシンポジウムや学会を行うことができた。2022年度は最終年度ということで、これらを統括する形での国内シンポジウムを開催する予定である。開催方法については今後の状況次第ではあるが、オンライン、対面のハイブリッド方式で行われる可能性が高い。一方で、2020年度から引き続きの事案である国際シンポジウムについては、基本的には対面での実施を考えているが、状況次第についてはZoomによる完全オンラインも視野に入れざるを得ないと考えられる。
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