Project/Area Number |
19H01340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
岩本 崇 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (90514290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 宇大 (金宇大) 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (20748058)
吉田 広 愛媛大学, ミュージアム, 教授 (30263057)
吉澤 悟 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 部長 (50393369)
大賀 克彦 奈良女子大学, 大和・紀伊半島学研究所, 特任講師 (70737527)
諫早 直人 京都府立大学, 文学部, 准教授 (80599423)
上野 祥史 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90332121)
川畑 純 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (60620911)
阪口 英毅 京都大学, 文学研究科, 助教 (50314167)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 伝世・長期保有 / 復古再生 / 保有 / 王権 / 地域社会 / 伝世 / 長期保有 / 正統性 / 古墳時代 / 「伝世・長期保有」 / 「復古再生」 / 製作年代 / 廃棄年代 / 銅鏡 / 弥生青銅祭器 / 玉類 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、さまざまな器物の「伝世・長期保有」と「復古再生」の実態を考古学的に把握するとともに、弥生・古墳時代の王権の形成・維持と器物の生産・保有との関連性から、日本列島における古代国家形成過程を明らかにすることをめざすものである。 そのため、①器物の「伝世・長期保有」を認定し、その保有主体を特定する方法を確立する、②器物の「復古生産」の具体的な様相を把握する、③「伝世・長期保有」および「復古再生」がいかなる歴史的意義を有するのかを異なる器物の様相の比較検討をとおして明らかにする。そのうえで、日本列島における「伝世・長期保有」および「復古再生」がいかに王権の形成・維持と関連するかを議論する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究3年目の2021年度は、前年度までに議論を深めてきた「伝世・長期保有」を生産面の様相から実証する方法として、「復古再生」に焦点をあてて、共同研究を実施した。そこで、確実な「伝世」資料が存在する鏡と玉を対象に、「復古再生」と認定できる現象がみとめうるかを具体例に即して検討した。また、「伝世」資料をともなわないが、「復古再生」例となりうる器物として埴輪を分析対象としてとりあげた。 鏡については日本列島で製作された倭鏡を対象に、後期倭鏡が前期古墳副葬鏡をモデルに製作された点について、生産面における両者の時期的な隔絶性ならびに製作技術の断絶がありながらも、デザイン的な見た目の共通性がみとめられることをふまえて実証的に分析した。また、後期倭鏡のモデルとなった前期古墳副葬鏡は大型鏡といった優品のみが選択されたわけではなく、小型鏡に至るまで選択の対象となっていることから、時期的な古さが意識されてモデルになった可能性が高いことを示した。また、玉についても、碧玉製管玉を検討対象として、モデルと復古再生品との時間的隔絶性、技術的な断絶、見た目のデザインの共通性から、「復古再生」の可能性を積極的に評価した。 埴輪については、「伝世」資料がともなわないが、モニュメントとしての古墳において古いものが存在していることから、「復古再生」が生じた可能性を想定できる。さらに、限られたエリアで「復古再生」が顕在化する傾向があり、「復古再生」が集団とのかかわりで発生した可能性をうかがわせるものとして評価できる点が重要である。 また、中国大陸における「復古再生」から、そこには「古さ」の認識という体系が重要な意味を有していたことが示された。ただし、「復古再生」の定義として、古さの認識を指標にすることは考古学的には難しく、ひとまずは幅広く先行するデザインの再生現象としてとらえておくことが共通の認識となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスの感染拡大の影響をうけて、実物資料の観察にかかわる出張が大幅に制限されている。そのため、限られた範囲のなかでしか活動が実施できていない。 共同研究会はリモート開催を含めて2回おこなうことができ、研究メンバー4名から「復古再生」にかかわる研究報告がおこなわれ、議論をとおして到達点と課題を共有することができた。 以上に述べたように、おおよそ計画通りに研究が進展してはいるが、資料調査は十分におこなえていないことから「(3)やや遅れている」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、「復古再生」が各種の器物で認定できるかの分析を進めるとともに、「伝世・長期保有」との関係について明らかにする検討を継続する。 また、研究4年目はこれまでの検討をふまえて総括的な議論をおこなう予定である。少なくとの年1回の共同研究会を開催して、研究代表者・分担者・協力者間でこれまでの研究成果と問題点を共有することをめざす。 さらに、研究1年目で完了した奈良県奈良県大和天神山古墳出土遺物についての研究報告、新たに発見した奈良盆地東南部の前期古墳副葬品についての資料報告、山口県都農地域の古墳出土資料について、図版作成や原稿執筆といった作業を進める。 そのうえで、研究成果報告書の刊行をめざして活動を進めることとしたい。
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