Project/Area Number |
19H01541
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Aoyama Gakuin University (2020-2022) Seikei University (2019) |
Principal Investigator |
石井 裕明 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (50548716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 周造 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 名誉教授 (30060015)
守口 剛 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70298066)
恩藏 直人 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70194652)
平木 いくみ 東京国際大学, 商学部, 教授 (60367026)
朴 宰佑 中央大学, 商学部, 教授 (50401675)
外川 拓 上智大学, 経済学部, 准教授 (10636848)
金子 充 京都女子大学, 現代社会学部, 助教 (50732476)
岩下 仁 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (30608732)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥16,510,000 (Direct Cost: ¥12,700,000、Indirect Cost: ¥3,810,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | センサリー・マーケティング / クロスモダル / 処理流暢性 / 身体化認知 / 組織の志向性 / 感覚マーケティング / 五感 / クロス・モダル |
Outline of Research at the Start |
近年、学術界からも実務界からも消費者の五感に訴求する感覚マーケティングへの注目が 高まっている。しかしながら、感覚マーケティングに関する従来の研究は、断片的な消費者反応の理解にとどまっており、実務への応用を念頭に置いた包括的な理解が進んでいない。そこで本研究においては企業による施策の立案から消費者の購買行動に至るまでのプロセスを描き出し、感覚マーケティングの包括的な検討を進めていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マーケティング関連分野におけるセンサリー・マーケティングに対する注目の高まりを背景に議論を進めている。2021年度及び2022年度は主に以下の点についての検討を進めた。 第一に、視覚を中心とした複合感覚の影響について、朴と外川が中心となり、阿部、守口、恩藏、石井が連携しながら議論を進めた。温度との関連においては、これまでに進めてきた議論をベースに、視覚的に感じられる温度が製品に対する知覚を変化させたり、意思決定における感情の重視度を高めたりすることを実験を通じて明らかにしている。以上の知見は、国際的な学術雑誌や学内紀要などにおいて発表した。また、重さとの関連においては、視覚的なデザインがクーポンの重さの知覚に影響を及ぼすことで、使用意向や実際の償還率を左右することを確認した。こうした知見は、海外学会にて発表した。 第二に、ブランドネームの響きが消費者反応に及ぼす影響について、石井が中心となり、朴と外川が連携しながら議論を進めた。これまでに進めてきたブランドネームの響きと視覚的なデザインの一致に関する議論を進めるだけでなく、生産国効果の影響がブランドネームによって調整される可能性を実験を通じて明らかにしている。こうした知見は、海外学会にて発表し、今後の論文化への準備を進めている。 第三に、企業や組織などマーケティングを提供する側が有するセンサリー・マーケティングに対する意識について、石井が中心となり、恩藏と平木と連携しながら議論を進めた。これまで進めてきた小売店経営者から調査対象を公共施設へと拡大し、それぞれの施設におけるセンサリー・マーケティングに対する意識をインタビュー調査にて検討した。これらの知見に関しては、今後の発表機会を検討している。 以上に加えて、協力企業と連携し、AIカメラなどを用いて、店頭での消費者行動の把握や解明なども進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の問題意識の一つとして、企業側の要因に注目した議論があった。これらに関しては、コロナ禍により企業への訪問調査が難しかったことに加え、研究メンバーの辞退などの想定していなかった事態が生じてしまったことにより、想定よりもやや議論が遅れてしまっている。ただし、現状では研究対象を拡大しながら、議論を展開することで、小幅な遅れにできているものと考えている。 また、申請当初は実験室における調査を複数想定し、研究を計画していたものの、コロナ禍により、一定の制約が生じてしまったために、実施が難しくなってしまった実験もあった。これらに関しては、企業と連携しながら異なるアプローチを採用することにより、大きな遅れが生じないように対応できている。 その一方で、本研究が当初想定していた複数の感覚刺激の影響の解明については、従来、想定していた以上の研究知見を得られている。 全体として、概ね順調に議論ができているものと考えているが、企業側の要因に注目した議論において小幅な遅れが生じているため、「やや遅れている」ものと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
消費者に注目した議論においては、多様な研究手法を用いることで、知見の一般化を図ることを目指していく。第一の方針としては、インターネット調査や学生対象の調査から得られた知見をフィールド調査で確認していく。これらに関しては、企業から協力を得られる内諾を得ており、守口、恩藏、石井が中心となり議論を進める。第二の方針としては、フィールド調査においてAIカメラなどの技術を加える点にある。近年の技術の発展により、フィールドにおいてこれまで以上に正確な消費者行動の把握ができるようになっているものと考えられる。これらの技術を活用した議論については、恩藏、石井、外川が中心となり議論を進める。第三の方針としては、アイ・トラッキング装置を用いた実験の実施である。新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いてきたことにより、こうした実験の実施についても、抵抗感なく参加しやすい環境が得られてきたものと考えている。これらに関しては、阿部、朴、石井、外川を中心に議論を進める。 企業側の要因の整理については、これまでに行ったインタビュー調査の分析を進めることで、研究知見の獲得を目指していく。必要に応じて、追加的なインタビュー調査を実施し、知見の頑健性を確認していく。これらに関しては、石井、恩藏、平木を中心に議論を進める。 また、これまで得られてきた知見の整理や発信を積極的に進める。特に、消費者行動の解明部分においては、想定以上の知見を獲得できているものと考えている。そこで、国内外の学会での発表を経て、多様な学術誌で成果を報告していくことにより、研究成果の社会への発信を進めていく予定である。
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