Project/Area Number |
19H01623
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田代 美江子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40297049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 大輔 埼玉大学, 教育機構, 准教授 (00468224)
丸井 淑美 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 教授 (00814998)
艮 香織 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (10459224)
浅井 春夫 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (30231864)
杉田 真衣 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (50532321)
北田 佳子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60574415)
及川 英二郎 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80334457)
伊藤 修毅 日本福祉大学, 教育・心理学部, 准教授 (80634089)
堀川 修平 埼玉大学, 教育学部, その他 (80912815)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | 包括的セクシュアリティ教育 / ジェンダー平等 / 多様性 / 実践研究 / 国際セクシュアリティ教育ガイダンス / 包括的セクシュアリティ教育(CSE) / 性の多様性 / 授業実践 / セクシュアリティ教育指針 / セクシュアリティガイドライン / 包括的性教育 / セクシュアリティ / 性教育指針 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本の子ども・若者たちに、「性の権利」としての包括的性教育を保障しうる基盤を構築することを目指すものである。本研究では、以下の具体的課題に取り組む。①包括的性教育の進展を阻む日本の人権をめぐる問題を教育の観点から明らかにすること、②ユネスコ等によって開発された『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』等を踏まえ、ジェンダー平等と多様性を前提とする日本における包括的性教育指針を提案すること、③学校現場の教員との協働で、包括的性教育の授業案、教材および教育方法の開発、授業研究を行い、子ども・若者の現実と要求に即した性教育実践の具体的課題と展望を明らかにすること。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の子ども・若者たちに、包括的性教育を保障しうる基盤を構築することを目的としている。 2022年度においては、学校現場の教員との協働で、ユネスコ等によって開発された『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(以下『ガイダンス』)を踏まえた包括的性教育の授業案、教材および教育方法の開発、授業研究に取り組んだ。その成果として、2022年11月には、現場の教員が活用できる授業実践集『思春期の子どもたちに「性の学び」を届けたい!実践 包括的性教育』を発刊した。 さらに、『ガイダンス』の内容を日本で広げるための講座等の発信を積極的に行うと同時に、その内容を小学校高学年から中学生にも理解できるようなテキスト『子ども版国際セクシュアリティ教育ガイダンス』の開発に取り組んできた。このため、月1回の研究会を重ね、現在、全体の原稿が整いつつある。 さらに、メンバーそれぞれが取り組むフィールド、学校段階を対象とした絵本やテキストなどの作成にも務め、日本における包括的性教育の周知と実践の拡大という点で社会的な貢献ができている。 本研究において、コロナ感染拡大の状況の中で予定通り実現することのできなかった中国を中心とした包括的性教育実践の現地調査と交流については、2022年8月にリモートによる国際シンポジウムを開催することで、韓国、中国、日本における包括的性教育の取り組みについての交流を行った。100名近くの参加者があった。この成果は、『季刊セクシュアリティ』110号に、その記録を掲載することができた。 この他、現場の教員が包括的性教育に取り組むために必要な環境について、研究協力者(シドニー大学大学院生)を得て、量的調査にも取り組み、調査結果をまとめ、国際ジャーナルへの投稿準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
特に、『ガイダンス』を踏まえた教材開発という点では予想以上の成果を上げることができた。メンバーが関わり公刊されている性教育教材は10点を越える。 この中には、インターネットを利用した発信なども含み、『ガイダンス』を踏まえた包括的性教育の積極的な発信という点では、性教育をめぐる社会的状況もあり計画以上の進展があった。 また、コロナ感染拡大によって実現が困難となった東アジアにおける包括的性教育実践の調査研究は、国際シンポジウム開催という異なる形となったが、これまでの研究の中で構築してきたネットワークを十分に活かした企画となり、中国と韓国における包括的セクシュアリティ教育に取り組むトップランナーの研究者を迎え交流できたことは重要な成果となった。この点は、この評価の理由の大きな理由となっている。 さらに、本研究の目的の一部である、包括的性教育実践の具体的課題を明らかにするための量的調査に取り組めたことも、研究計画当初にはなかった取り組みである。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、現在進行中のテキスト開発、子ども版『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』の発刊を目指す。 第2に、2022年度に作成した実践集の成果を、国内にとどまらず、国際的な機会を得て発信していきたい。現在、2023年10月に台湾で開催される"CSE in Asia: TGEEA 2023 International Forum"での報告を予定している。 第3に、量的調査の結果を、海外の性教育関係ジャーナルに投稿し、掲載を目指す。すでにその準備を進めている。 第4に、これまで積み重ねてきた授業実践の分析のため、実践に取り組んできた教員および、卒業生へのインタビューを実施する。
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