Research on the construction of trauma-informed environments that lead to understanding children
Project/Area Number |
19H01650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute |
Principal Investigator |
酒井 佐枝子 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, こころのケアセンター, 研究主幹 (20456924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 祐子 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20379324)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥16,250,000 (Direct Cost: ¥12,500,000、Indirect Cost: ¥3,750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | トラウマインフォームドケア / トラウマ / 支援者 / 支援 / トラウマ・インフォームド・ケア / 支援組織 / トラウマインフォームド・ケア |
Outline of Research at the Start |
近年、国際的にもトラウマインフォームド・ケア(TIC)のアプローチが推奨され、トラウマの知識とその影響への理解に基づく対応の重要性が指摘されている。 本研究では、子どもの支援に携わる組織を対象に、TICの導入の必要性と有効性に関する調査・介入研究を行う。その上で、TICの知識とスキルの習得を目的とした教材の作成と、TICに基づく支援システムの開発を行う。これにより、支援機関におけるTICの実態の把握と、子どもの行動に対する支援職のTICの視点に基づく理解への変容過程を明らかにし、トラウマインフォームドな環境構築のための具体的視点を提言する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、支援者と支援組織におけるトラウマインフォームドな環境の構築に向けた研修システムの開発を目指すために、トラウマインフォームドケア(TIC:Trauma Informed Care)習得のための教材及び研修プログラムの開発研究を行うものである。 3年目の本年度は、①「児童福祉領域におけるトラウマトレーニングツールキット(CWTTT: Child Welfare Trauma Toolkit)」の翻訳版の開発、および②TIC研修プログラムの開発及び研修プログラム構成及び内容の検証を行った。まずCWTTTについては、新たに以下2章、「トラウマインフォームドな児童福祉:ケースワーカーやスーパーバイザー向けの研修」及び「スーパーバイザーコンサルテーションシリーズ」の翻訳版を開発した(①)。次に、これまでの翻訳版の内容を、児童福祉領域の専門家で構成されるワーキンググループにおいて検証し、本邦の実情に沿った形に改編し、研修プログラムの開発を行った(②)。そのうえで、研修プログラム構成及び内容の検証を行うことを目的に、児童福祉の支援者を対象とした研修を実施し、研修内容に関する理解度や構成、実践への普及に関する調査を行った。調査対象は、一つの地域内における児童福祉に携わる多職種多機関の支援者で、研修前後および研修3か月後にアンケート調査を実施した。その結果、TICに関する支援者個人の態度はTIC研修を通して変容する可能性が示唆された一方で、TICに関する職場風土全体の変容は認められず、一朝一夕に職場風土にTICが根付くことがないということが示唆された(②)。課題としてTICに関する学びを継続し、職場風土全体への浸透を目指すための工夫を検討する必要性が抽出された。そのため、日常業務内での学びの手法の一つとしての新たな動画教材等の開発に着手し、動画テーマの抽出及びスクリプト開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、これまで本邦における児童福祉領域の支援者へのトラウマの影響に関する実態調査をもとに、TIC導入における諸問題を抽出した。そしてTICに求められる支援者及び支援組織のありように関する先進諸国の状況精査及び文献調査を行い、TIC習得に向けた研修プログラムの開発に着手した。その際に、エビデンスに基づくアプローチの一手法である「児童福祉領域におけるトラウマトレーニングツールキット(CWTTT: Child Welfare Trauma Toolkit)」の翻訳版の開発を、原著者の許可を得た上で実施した。本年度をもってCWTTTの全章の翻訳版の開発が終了した。CWTTTは全7章からなるツールキットであり、各章は研修スライド、参加者マニュアルと資料、ファシリテータガイドからなり、これらをもとに研修を構成することが可能である。これまでの研究成果をもとに、TIC研修プログラム開発及び研修プログラム構成と内容の検討を進めており、これらに関してはおおむね順調に進んでいる。一方で、研修プログラムの効果検証のうち、職場風土全体への変容には研修以外の工夫が求められることが明らかとなった。そのため、TIC研修での学びを日常業務内で継続して振り返り、実践に普及させるための一助として使用可能な動画教材の開発に着手することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、トラウマインフォームドな環境の構築に向けたシステムづくりに求められる要素を抽出することを目的としている。これまでの研究成果から、TICが児童福祉領域の支援組織において継続して実践され、根付くための方策をさらに検討する必要性が抽出された。したがって、今年度の成果をもとに、新たに着手した日常業務内での学びの手法の一つとしての新たな動画教材等の開発を継続するとともに、TICの知識とスキルの蓄積および、実践への継続に求められる要素を、支援者や支援組織を対象とした調査や聞き取りを通して抽出することとする。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)