Project/Area Number |
19H01670
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
守田 庸一 三重大学, 教育学部, 教授 (60325305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 智生 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (00171786)
幾田 伸司 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00320010)
寺田 守 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00381020)
中西 淳 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10263881)
山元 悦子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20220452)
稲田 八穂 筑紫女学園大学, 人間科学部, 教授 (20612518)
砂川 誠司 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (20647052)
村井 万里子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (30174262)
宮本 浩治 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (30583207)
住田 勝 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40278594)
冨安 慎吾 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40534300)
中井 悠加 島根県立大学, 人間文化学部, 講師 (40710736)
上山 伸幸 創価大学, 教育学部, 講師 (40780325)
植山 俊宏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50193850)
上田 祐二 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50213369)
原田 大樹 福岡女学院大学, 人間関係学部, 講師 (50756492)
坂東 智子 山口大学, 教育学部, 准教授 (60634764)
河野 智文 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70304144)
山元 隆春 広島大学, 教育学研究科, 教授 (90210533)
若木 常佳 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90454579)
長岡 由記 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (90615915)
辻村 敬三 大阪成蹊大学, 教育学部, 教授 (90712505)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 読書行為 / 発達モデル / 包括的学習支援 / 質的研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、【中心・求心的な傾向としての読解力発達モデル】に変わる【個別的かつ多様・多層な読解力発達モデル】の構築である。教室における読解活動は、各々の読者が持つ「愛好する読みの戦略」に基づいて生成する、多様で多層な読書反応が社会的協働の中で関わり合い、せり上がってゆく動的な営みである。そうした個別的で多様・多層な読解の様相を持った子どもたちを支援する国語科読解指導としてのマルチレベル支援アプローチの開発が喫緊の課題である。本研究では、①学習者の読解パフォーマンスの実態調査に基づいた多様な読者タイプの把握、②読者タイプの診断システムの構築、③診断に基づいた支援アプローチの開発に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究においては、読書行為の多様性を探索するための基礎的な調査を行い、その結果を分析・考察した。 これまでに追究されてきた【中心・求心的な傾向としての読解力発達モデル】を、いかにして具体的な学習者の読みの実態を記述する【個別的かつ多様・多層な読解力発達モデル】へと拓いていくかが、本研究の大きな問題意識である。そこでまず着手すべきことは、子どもたちのテクストの読みを支えている具体的な読みのストラテジーの多様性を、実態として把握することであった。そのために、小学校・中学校・高等学校・大学における説明的な文章や文学的な文章等の読み方を把握するための調査を設計し、テクストの読みにおいて重視されている「愛好する読みの戦略」のバリエーションの析出やそのカテゴライズを試みた。調査で得られたデータに基づきながら、テキストマイニング等の質的研究の手法を用いて、読者反応の類型性を見いだすことに取り組んだ。またそれと並行して質的研究の方法に関する知見を深め広げた。 以上の研究実績の概要に記した調査は、次年度に行う予定であるより大規模な実態調査をデザインするための基礎的な調査として位置づけられる。本年度は、研究代表者・研究分担者が集う研究会合を計3回開催するとともに、その間における各自の調査実施及びその分析等によって研究を進めた。研究会合の最終回には、次年度における調査の内容とその計画についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における初年度の研究として読書行為の多様性を探索するための基礎的な調査を行う必要があり、本年度はそれを実施し、またその結果を分析・考察することができた。詳細は「研究実績の概要」欄に記したとおりである。ただし、その調査についてより厳密に検討するといった課題がある。こうしたことから、本研究課題の進捗状況を「おおむね順調に進展している」と評価した。 本研究課題では、これまでに探究されてきた【中心・求心的な傾向としての読解力発達モデル】 に変わる【個別的かつ多様・多層な読解力発達モデル】を構築する。この研究は、個別的で多様・多層な読解の様相をもった子どもたちを適切に支援するための、国語科読解指導としてのマルチレベル支援アプローチの開発を目指すものである。このような目的を達成するためには、(1)学習者の読解パフォーマンスの実態調査に基づいた多様な読者タイプの把握、(2)読者タイプの診断システムの構築、(3)そうした診断に基づいた支援アプローチの開発、を行う必要がある。本年度の研究は(1)に資するものとして位置づけられ、年間の研究を通じて、次年度以降の研究に活かされる成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度には、本年度(2019年度)に行った読書行為の多様性を探索するための基礎的な調査の結果をふまえながら、読解戦略診断基準を導出するためのより大規模な実態調査を実施する。この調査によって得られたデータを質的研究の手法によって分析し、 読解指導において考慮すべき読者タイプを診断するための徴標を仮説として導出する。なおデータの分析においては、質的研究に関わる本年度の成果を活かすこととする。2021年度には、導出した読解戦略診断基準に基づいたマルチレベル支援アプローチの開発に臨む予定である。この開発を意識しながら今後の研究に取り組む。 新型コロナウイルス感染症対策の影響で、上記の研究が予定通りに進まないことも十分に考えられる。そのような場合には、状況に応じて、これまでの研究成果の再検討や理論的な考察の充実など、【個別的かつ多様・多層な読解力発達モデル】を明らかにするための研究を異なるアプローチから進めることとする。
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