「戦争体験」を活用した平和形成主体育成のための「方法としての平和教育」の構築
Project/Area Number |
19H01681
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐藤 宏之 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50599339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 紘子 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (10551707)
新名 隆志 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (30336078)
杉原 薫 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (60610897)
城野 一憲 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (10707491)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | 平和教育 / 平和学習 / 戦争体験 / 当事者性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、学習者が戦争体験者に自分を置き換え、体験者の能動的/受動的な営みに対する「共感共苦」や、もし自分が○○だったらどうするかという「反実仮想」する活動を通して、「あの時代のどの段階であれば、別の、平和な時代を作る選択肢を人々は見いだせたのか」「別の選択肢を選びとる歴史的可能性はなかったのか」などの、判断する力を養い、その力を発揮するための具体的な回路を学ぶ教育方法を構築する。 「戦争体験」における体験者の営み及び相互作用性の分析、日常と戦争を切り結ぶ回路の解明・構築、ドイツ平和学習の分析と教育内容及び教材についての意見交換を通じて、平和形成主体の育成のための学習プログラムの開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学習者が戦争体験者に自分を置き換え、体験者の能動的/受動的な営みに対する「共感共苦」や、もし自分が○○だったらどうするかという「反実仮想」する活動を通して、「あの時代のどの段階であれば、別の、平和な時代を作る選択肢を人々は見いだせたのか」「別の選択肢を選びとる歴史的可能性はなかったのか」などの、判断する力を養い、その力を発揮するための具体的な回路を学ぶ教育方法を構築することを目的とする。 「戦争体験」は、身近な地域に戦争に関わった人がいることを知るうえで貴重な資料であるとともに、すでに過去の出来事であるため、その原因・過程・結果を俯瞰的にとらえることができる点に特徴がある。戦争体験者本人が、生の声で証言するということはここ数年内に確実に不可能となってしまうが、戦争体験者に直接話を聞くことができなくても、映像や録音を見聞きしたり、体験談集を読んだりする活動を通して、自分自身の体験と重なり合う部分を手がかりに他者の戦争体験に分け入ることは可能である。そのためにも、どのような過去を伝達し、かつ未来の記憶のかたちを選択する行為を解明し、死者たちを手段とせず、死者たちに対する負い目を教育の駆動力とせず、かつ死者たちに対して応答し責任を果たす平和教育を構想することが重要である。 これまでの平和教育は、戦争やその悲惨さの学習を戦争原因の科学的認識の学習や、平和創造の主体形成といった方向へ結びつける教育方法への関心が薄かったといえる。本研究で、平和教育を平和の尊さを理解し、平和を実現するものと考え、平和の実現のために参加する姿勢を育むための方法論を構築したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域素材(鹿児島県出水市の戦争体験)を基盤にした平和教育、すなわち、「過去の記憶」の認識・克服から平和構築を見通した教育プログラムの開発および教材の作成を行うために、以下の研究を実施した。 ・出水市教育委員会や出水市平和学習ガイドと定期的に打ち合わせを実施し、学校現場で実際に平和教育・学習の実践を行うための協議を行った 。 ・県外(大阪府・京都府・沖縄県など)で先進的・先駆的に取り組んでいる施設(平和記念資料館・原爆資料館など)への調査を行った。 ・2020年2月22日に社会系教科教育学会・第31回研究発表大会において行った研究報告をもとに、論文2編を執筆した。 ・ドイツにおいて、「過去の克服」や近隣諸国との「対話」を通し、個々の記憶、熱い思い、願いや希望を集団の記憶、社会の記憶、国家や人類全体の記憶へ「記憶の文化」として育む過程における平和学習の役割を分析する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、実施することができなかった。ドイツにおける調査は、本研究の柱のひとつであり、次年度、感染症の状況を見極めつつ、可能な限り実施したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の拡大状況を見極めつつ、先進的・先駆的な取り組みを実践している施設やグループへの調査、ドイツでの調査を実施したいと考えている。 また、平和教育を平和の尊さを理解し、平和を実現するものと考え、平和の実現のために参加する姿勢を育むためのプログラムを開発し、その実践を行うとともに、その成果を学会にて研究報告を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)