Structure of nuclei and atoms with high isospin - Study of quantum phase transition -
Project/Area Number |
19H01926
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小田原 厚子 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (30264013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 正 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (70135656)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2019: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Keywords | 原子核構造 / 中性子過剰核 / スピン偏極ビーム / ベータ崩壊 / 原子核の量子相転移 |
Outline of Research at the Start |
原子核は中性子の増加とともに球形から変形へとなぜ変化するのだろう?その狭間の原子核はどのような構造をもつのだろう?基底状態の形の量子相転移現象の転移点に位置する原子核の構造研究は、中性子の核子間相互作用の平均場への影響解明につながることが期待できる。 本研究の概要は、不安定核をスピン偏極することで核構造の精密な情報を引き出す我々独自の手法から原子核構造を、また、独自のレーザー技術から原子構造を、従来の測定限界を超えた中性子超過剰核について系統的に解明しようとする分野融合型の研究であり、カナダ国立素粒子原子核研究所TRIUMFにて実施する国際共同研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
中性子数の増加は核子間相互作用の変化を導き、平均場へ影響を与え、ついには原子核の形を球形からレモン型へと変化させて量子相転移を引き起こす。この転移点近傍核では、様々な構造が共存する量子力学特有な現象が生じることが明らかになりつつある。これを解明すべく、本研究では、中性子数の魔法数20消失現象でよく知られているMg-32核周辺の「逆転の島」と呼ばれる原子核に注目して研究を行っている。本課題の特徴は、不安定核をスピン偏極することで核構造の精密な情報を引き出す我々独自の手法と、独自のレーザー技術により原子構造を解明する手法、を組み合わせた分野融合型の研究であり、カナダのTRIUMFで実施する国際共同研究である。 2019年度にMg-31スピン偏極核のβ崩壊からAl-31核の構造を、また、無偏極Mg-33核のβ崩壊からAl-33核の構造を解明する実験を行った。残念ながら、今回は低偏極度のスピン偏極Mg-31ビームしか得られなかったが、十分な統計量のおかげでデータ解析を進め、得られた原子核構造(変形共存)の知見を投稿論文にまとめているところである。 また、Mgの高偏極度スピン偏極ビームを開発するためにビームラインの改良を行った。ビーム輸送中のスピン偏極保持のための環境磁場を打ち消す低磁場を発生するコイルの設置をTRIUMFのプロジェクトとして実施した。この低磁場と測定位置での高磁場をなめらかにつなぐ永久磁石の設計・製作は日本グループで行った。2022年度に若手研究協力者が現地へ赴き、ビームラインの改良の現状を現地の研究協力者と議論した。 さらに、スピン偏極Mg-33核のβ崩壊実験のための検出器の準備や回路系の多チャンネル化への移行を進めた。検出器やこれら一連の検出器システムのテストを兼ねた実験を理化学研究所や大阪大学核物理研究センターで実施し、期待した性能が得られることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度に実施した低偏極度ではあったが十分な統計量を得られたスピン偏極Mg-31核からAl-31核へのβ崩壊実験のデータ解析をさらに進めた。その結果、36本のAl-31核のγ遷移を発見し、8本の励起準位を新たに同定し、7本の励起準位のスピン・パリティを確定してβ崩壊様式を大幅に更新した。原子核理論の研究協力者と議論を行い、基底状態は球形であるが、励起状態でレモン型に変形した状態の出現を明らかにし、現在、投稿論文を執筆中である。 次に、2021年度はMgの高偏極度のスピン偏極ビームを得るための開発を行った。2019年度の実験では、Mgの1価イオンをオプティカルポンピングで高偏極度のスピン偏極に成功した。しかし、輸送中のスピン偏極保持のためにさらに電子を1個はぎとってMgを2価のイオンとする際のヘリウムガスとの衝突で偏極緩和が起こり、低偏極度となった。そこで1価イオンでMgを輸送するためにTRIUMF側のプロジェクトとして、環境磁場によるスピン偏極緩和を防ぐ低磁場を発生するコイルを偏極ビームラインから測定位置まで設置した。測定位置の捕獲金属膜中のスピン偏極保持のための高磁場とこの低磁場をなめらかにつなぐことが可能な永久磁石を日本側で設計・製作し、TRIUMFに設置した。 平行して、2022年度末の本実験に向けて、検出器系や回路系の多チャンネル化、データ収集系の準備を進めた。これらのテストを兼ねた実験を理化学研究所や大阪大学核物理研究センターで行った。しかし、TRIUMFでの本実験は、新型コロナウイルスの影響で実験待ちの課題数が増加し、外部ユーザーが実験することが難しくなった。同時に、TRIUMF側でカナダの法律上必要なビームライン使用許可申請の問題が生じ、数ヶ月にわたりビーム供給がストップした。そこで、2023年度に本実験を行えるよう、現在は準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度にいよいよ高偏極度のMg-33スピン偏極ビーム開発実験を行い、その後、スピン偏極Mg-33核からAl-33核へのβ崩壊実験を行う予定である。そのためにまず、4月から7月にかけて、検出器(γ線検出器、β線検出器、中性子検出器)のメンテナンスや回路系・データ収集系の準備を行う。また、スピン偏極保持のための測定位置で高磁場を印加する永久磁石の寸法の変更に伴い、β線検出器の改良を行う。そこで、新型β線検出器とγ線検出器の配置を見直し、新たに検出器を設置する架台を製作する。さらに、新型の中性子検出器の台数を増やすため、検出器の配置と固定方法を考案し、新たに検出器サポートフレームを設計・製作する。8月頃に本実験に必要な実験装置一式をTRIUMFに輸送する。8月から9月頃にTRIUMFに数週間滞在し、現地で検出器のセットアップと回路系・データ収集系の調整を行う。その後、秋か冬に本実験を行うことを予定しており、直前の準備・実験実施・後片付けを含めて数週間TRIUMFに滞在して進める。 得られた実験データを解析し、同時にGeant4を用いて中性子検出器や全検出器系のシミュレーションも行う。特にこれまで問題となってきた中性子検出器の検出効率についての解析手法を確立する。必要であれば、中性子線源から放出される中性子、もしくは、加速器のビームを用いた反応で得られる中性子を測定し、シミュレーション結果と比較することで、中性子検出器の性能を調べ、また、中性子データの解析手法の有効性を確認する。得られたMg-33核からAl-33核へのβ崩壊実験の結果を原子核理論の研究協力者と議論を進め、学会などで発表する予定である。2019年度のスピン偏極Mg-31核からAl-31核のβ崩壊実験の結果は、夏頃に投稿論文として発表する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)
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[Presentation] スピン偏極Mg-31ビームを用いたAl-31の構造研究2022
Author(s)
小田原厚子, 西畑洸希, 下田正, 前島大樹, 浜野友哉, 大上能弘, 大谷優里花, 金谷晋之介, 飯村俊, 関口直太, 浅川寛太, C.D.P. Levy, M.R. Pearson, J. Lassen, R. Li
Organizer
日本物理学会 第77回年次大会、オンライン
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[Presentation] Mg-33のβ崩壊による中性子過剰核Al-33の束縛状態と中性子非束縛状態の研究2022
Author(s)
大上能弘, 小田原厚子, 西畑洸希, 下田正, 大谷優里花, 飯村俊, Nurhafiza M. Nor, 前島大樹, 金谷晋之介, 浜野友哉, 関口直太, 浅川寛太C, C.D.P. Levy, M.R. Pearson, J. Lassen, R. Li
Organizer
日本物理学会 第77回年次大会、オンライン
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[Presentation] スピン偏極31Mgビームを用いた31Al核の構造研究2021
Author(s)
前島大樹, 小田原厚子, 西畑洸希A, 下田正, 大上能弘, 飯村俊, 金谷晋之介, 大谷優里花, 浜野勇哉, 関口直太, 浅川寛太C, C.D.P Levy, M.R. Pearson, J. Lassen, R. Li
Organizer
第76回年次大会、 オンライン、2021年3月12日~15日
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[Presentation] Structure of neutron-rich Al investigated by spin-polarized Mg2020
Author(s)
Y. Hamano, H. Nishibata, T. Wakasa, A. Odahara, T. Shimoda, D. Maejima, Y. Okami, Y. Otani, S. Iimura, S. Kanaya, A. Hatakeyama, K.Asakawa, N.Sekiguchi, Y.Hirayama, C.D.P Levy, M.R. Pearson, J.Lassen, R. Li
Organizer
the International symposium on Clustering as a Window on the Hierarchical Structure of Quantum Systems (CLUSHIQ2020), Beppu, Jan. 2020
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Int'l Joint Research
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[Presentation] スピン偏極Mgのベータ崩壊を用いた中性子過剰なAl同位体の構造研究2020
Author(s)
西畑洸希, 浜野友哉, 小田原厚子, 下田正, 前島大樹, 大上能弘, 大谷優里花, 金谷晋之介, 飯村俊, 関口直太, 浅川寛太, 畠山温, 平山 賀一, 若狭智嗣, C.D.P Levy, M.R. Pearson, J. Lassen, R. Li
Organizer
日本物理学会、第75回年次大会、名古屋大学、2020年 3月
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[Presentation] スピン偏極Mgビームを用いた中性子過剰Alの構造研究2019
Author(s)
濵野友哉, 西畑洸希, 小田原厚子, 下田正, 前島大樹, 大上能弘, 大谷優里花, 飯村俊, 金谷 晋之介, 畠山温, 浅川寛太, 関口直太, 平山賀一, 若狭智嗣, C.D.P. Levy, M.R. Pearson, J. Lassen, R. Li
Organizer
日本物理学会 九州支部例会、佐賀大学、2019年11月
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