A historical study on architecture and cities under allied occupation of Japan
Project/Area Number |
19H02332
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
角 哲 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (90455105)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 修 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (20137128)
村上 しほり 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 特任准教授 (50746104)
砂本 文彦 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (70299379)
玉田 浩之 大手前大学, 建築&芸術学部, 教授 (70469112)
長田 城治 郡山女子大学, 家政学部, 准教授 (70734458)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
|
Keywords | 戦後 / 占領軍 / 接収施設 / 建築と都市 / 跡地利用 / 占領 / 接収 / 占領下日本 / 地方都市 / GHQ / 進駐 / キャンプ / 建築 / 都市 / 連合軍 / 日本 / 建築の種類と都市施設 / 戦後の建設技術 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,占領期日本で接収された土地と建物に着目し,施設の種類や機能,設計・施工や運営に関与した日本人の受容したものが,後の建築や都市にどのような影響を及ぼしたのか実空間という生きた情報として実証的に明らかにすることを目的とする.
方法として,まず申請者らがこれまでの接収住宅研究で培った知見を,都市や地域という視点に敷衍する.また都市を構成する居住・労働・安息・交通という要素を踏まえ,居住施設と生活を補完する都市施設,余暇施設,医療施設,跡地利用,建築技術の5つの論点を設定する.そして占領軍の建設活動と都市生活者の実態を,国内外の地図,写真,文書の収集と分析を行ない,包括的に捉える.
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度につづき,令和3(2021)年度も(1)国内での資料収集と現地調査,(2)海外での資料収集,(3)研究会という目的を設定したが,新型コロナ禍の影響で(2)は実施できず,(1)と(3)の実施にとどまった.しかし,成果の一部を公表するため,前年度に公表した学術論文の内容を発展させた一般書籍を刊行した. (1)は、調査先の利用制限に注意しつつ各地の公文書や郷土史などの資料の収集,現况調査に重点をおいて進めた.その際,1930年代に建設された国際観光ホテルの実態,占領軍キャンプの建設を把握し得る建設業者の社史,接収解除後の変容を理解できる資料の収集にも努めた.例えば,札幌の真駒内基地の接収解除後に開発された道営団地の開発やオリンピック村の整備などである. (3)は5月,10月のオンライン研究会(5/17)をはじめ,書籍の刊行のためメールベで活発な意見交換を行なった.上述した跡地利用や建設技術などの発展的な調査は,研究会であがった議論に順じたものである.また,2月18日には国立国会図書館憲政資料室の招待で,アメリカ国立公文書館(NARA)所蔵の占領期の建築や都市に関する写真資料について,角,玉田,村上が対面・オンラインのハイブリッドで講演した.併せて,大場を交えて同館スタッフと意見交換をし,写真資料の公開方法について助言を受けた. 論考集は大場の編著として前年度から準備を進め,5月に思文閣書店から15章からなる『占領下日本の地方都市 接収された住宅・建築と都市空間』を刊行した.同書には全国の部隊配置をはじめ,北海道,東北,東海,近畿,中国の事例のほか,観光ホテルの接収という論考も所収した.日本の資料を中心とした論考であるが,地方のさまざまな状況を理解できる成果になったと考えている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,令和元(2019)年にアメリカ公文書館(NARA)で,令和2(2020)年からの2年でオーストラリア戦争記念館(AWM)を訪問し,英連邦軍(BCOF)を含む連合軍の資料を収集する予定であったが,これまで実施できていない.ここには,海外の資料館が資料を用いることで占領者/被占領者双方の視点から,占領下の建築や都市の実態を把握しようという意図があった.また,アメリカ軍とBCOFの統治方法の共通点/相違点の比較から,地方性の把握を試みる目的もあった.しかし,これまで日本側の資料とともに国立国会図書館(NDL)憲政資料室が所蔵するNARAの資料の一部や各地の資料館の公文書などに添付されている占領軍の資料を収集し,事例研究を包括的に捉えることのできる論考集を刊行した. また,これまでの研究会でNARA所蔵の写真資料をどのように整理し,公開するかを繰り返し議論してきたが,NDLの方の助言を得たことで今後の方針を立てることができた.このほか,全国で接収された土地や建物の実態のほか,接収解除後の建物や跡地の利用といった発展的なテーマを見出し,市町村史や新聞など,基本情報の収集にも着手できた. このように,論文として公表した成果を一般書籍として刊行でき,『京都新聞』(2021年9月2日夕刊)で紹介された,あるいは専門分野を超えた議論を重ねることができたため,総合的には「おおむね順調に進展している」と判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
未だ新型コロナ禍の終息の見通しが立たないため,海外調査に制限がかかることが予想される.しかし,警戒が緩和されつつあるため,これまで未訪問であるオーストラリア戦争記念館(AWM)での調査を優先して計画する.AWMには英連邦軍(BCOF)の資料が収蔵されており,写真資料はデジタル公開されているが,文書は閲覧できない.よって,オーストラリアの国立国会図書館を含めて呉市や江田島市にあったBCOFのキャンプに関する文書や地図をあらかじめ問い合わせ,渡航可能になった段階でAWMを訪問する. また,アメリカ国立公文書館(NARA)で収集済みの写真資料のデータベース化を進める.まずは占領軍の活動を記録した記録群(RG)が111SCを優先し,つづいて終戦前の爆撃と戦後の被害を調査した80Gの作業を進める. さらに,これまで進めている各地方のケース・スタディも継続する.特に,第5空軍が駐留した福岡市,北九州市をはじめとする九州,当初,札幌に置かれた第9軍団司令部の移転先である仙台市をはじめとする東北を重視する.併せて,日光金谷ホテルが所蔵する資料の収集,京都や西宮に遺存する接収住宅の現况調査なども進める.このほか,全国の占領軍キャンプで建設費が最大であった札幌真駒内基地の跡地利用や占領軍工事の実態をはじめとした調査も進め,占領の経験が現在の建築や都市に及ぼした影響の把握も試みる.
|
Report
(3 results)
Research Products
(15 results)