Conservation of farmland ecosystems using marketing theory: Resolving trade-off between conservation and food production
Project/Area Number |
19H03095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
久保 雄広 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主任研究員 (80761064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 康 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60399988)
柘植 隆宏 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (70363778)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | 環境価値評価 / 環境保全型農業 / 生物多様性保全 / 行動変容 / 情報提供 / 農産物市場 / 生態系サービス / 保全メカニズム / ナッジ / マーケティング / PES / 生物多様性 / 環境評価 / フィールド実験 |
Outline of Research at the Start |
伝統的農業は食料生産のみならず、多様な動植物が生息する豊かな生態系の形成に寄与してきた。しかし、昨今の人口減少・少子高齢化を一因とする耕作放棄や農業集約化によって、これらの農地生態系は消失の危機に瀕している。 本研究では、経済学的手法を用いることで、現在の農産物市場に存在する生物多様性の付加価値を可視化するとともに、今後どのような生物多様性保全が農産物に付加価値を生み出す可能性があるのか明らかにする。また、これらの知見を通じて、食料生産と生物多様性保全の両立に向けた施策・政策を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、農産物市場における生物多様性保全の付加価値を定量的に明らかにするとともに、「環境配慮型」農産物の販売を促進するためにはどのような情報提供が有効であるか、実際の消費者行動から解明することである。 【研究1】市場分析:全国の道の駅等に付随する産地直売所やJA等を対象にフィールド調査を実施し、「環境配慮型」農産物に関する価格や属性等のデータを収集・整理を行った。特に本調査を通じて13都道府県から収集した「環境配慮米」に関するデータは191件であり、予備的分析によればお米1kgあたりの平均価格は478円、最高額は1667円、最低額は320円であった。またサンプリング箇所等のバイアスが存在する可能性があるが、最もシンボルマークとして活用されていた生きものはホタルであった。 【研究2】環境価値評価:環境評価手法の 1 つである選択型実験を適用し、既存の農産物市場では顕示されていない生物多様性保全の付加価値を評価する。本年度は関東のファーマーズ・マーケットや駅周辺等の公共施設において、アンケート調査を実施し、231名から回答を得た。条件付ロジットモデルを用いて予備的に分析を行った結果、生物多様性に配慮しない農産物(お米)と比較して、鳥類保全に配慮した農作物には2000円以上の価格プレミアムが存在していることが明らかになった。また慣行農法と比較して、有機農法(無化学肥料・無農薬)についても同様に2500円以上の価格プレミアムが存在していることが示された。 これらの結果は学会および研究集会で報告するとともに、得られた知見の一部を和文誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市場分析については、データ分析が若干遅れているが、おおむね順調に進展している。環境価値評価については、アンケート調査を実施できており、当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は農産物市場のデータをより収集するとともに、得られたデータに統計分析を適用し、価格プレミアム等に関して考察を深める予定である。また、環境価値評価についてもより分析を深め、論文執筆等を行うとともに、上記2つの研究課題から得られた知見に基づいて、経済実験等のデザインに取り掛かる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)