Project/Area Number |
19H03398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
渡邉 裕介 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (20562333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柴 和子 東洋大学, 生命科学部, 教授 (30467005)
中川 修 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (40283593)
浦崎 明宏 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40550083)
LAMRI LYNDA 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (90883984)
能丸 寛子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (30885538)
原田 恭弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (70911402)
垣花 優希 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (40910534)
橋本 大輝 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (40911342)
劉 孟佳 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (50826922)
瀬谷 大貴 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (30806021)
田中 亨 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (50806065)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2019: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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Keywords | 胸部大血管 / 心筋 / 転写 / 細胞系譜 / 心室筋 / 転写制御 / Notch/Rbpjシグナル伝達経路 / 心臓 |
Outline of Research at the Start |
胎児期における心血管系の正常な構築は、個体の血液循環にとって不可欠な要素である。しかしながら、心血管構造の形成機構については分子経路や細胞系譜の面から未知な点が多い。本研究では、Notch/Rbpjシグナリングの標的遺伝子として知られるHeyファミリー因子に着目し、心血管系におけるHeyファミリー因子の発現制御機構と分子機能の理解および、胸部大血管および心室筋の形成における転写ネットワークや細胞分化制御の新たな知見を得ることを目指す。本研究は、形態形成の原理解明を命題とする発生生物学的にも、疾患の発症機構を分子的・解剖学的に理解して診断や治療に応用する臨床医学的にも重要な課題である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は①「胸部大血管形成における内皮細胞発生・管腔構造形成の重要性と制御機構の解明」と、②「心室筋の異なる領域における転写制御機構と細胞運命の解明」を目的として転写抑制に機能するHeyファミリー因子に着目して研究を進めている。 ①について、本年度は胸部大血管形成における内皮細胞でのHey1遺伝子の重要性を明らかにするため、胸部大血管の由来となる胎生10.5日目胚での咽頭弓動脈の構造および遺伝子発現についても解析を進めた。その結果、内皮細胞でHey1遺伝子を欠損させたcKOマウスでは第4咽頭弓動脈の形成異常が生じ、動脈内皮細胞マーカーの発現が消失することを観察した。一方、cKOマウスの咽頭弓動脈での平滑筋細胞マーカーや神経堤細胞マーカーの発現は正常であった。前年度および今年度の結果から、内皮細胞で発現するHey1遺伝子の胸部大血管形成における重要性と転写制御機構の一端を明らかにした。本研究実績はJBC誌に投稿し受理された(Watanabe et al., 2021. 筆頭および責任著者)。 ②について、本年度は胎生期心室筋で発現するHey2遺伝子の機能解析を行った。右心室から心室間領域にかけてHey2遺伝子を欠損させたcKOマウスでは、全身Hey2遺伝子欠損と同様に心室中隔欠損、三尖弁形成異常、右心室低形成を生じた。cKOマウス右心室では転写抑制に機能するTbx2の発現が異所的に誘導され、その下流遺伝子であるMycn発現が減少していた。さらに細胞増殖も低下していた。以上から、Hey2-Tbx2-Mycnの転写抑制カスケードが右心室形成に必須であることが示された。本研究実績はDev Growth Differ誌に投稿し受理された(Seya et al., 2021. 共責任著者)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科学研究費補助金の研究課題において、2019年度に1報、2020年度は2報論文を報告することができた。目的としている胸部大血管形成における内皮細胞発生・管腔構造形成の重要性と制御機構の解明と、心室筋の異なる領域における転写制御機構と細胞運命の解明が進んでおり、結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
特に心室筋を形成する細胞の起源に着目して細胞系譜解析、免疫染色、RNA-scopeおよびscRNA-seqによる遺伝子発現解析を進めることで、心室筋前駆細胞の局在と、それらの細胞での遺伝子発現の解明を目指す。
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