脊髄運動ニューロン固有のRNA制御プログラムとALS病態の関連
Project/Area Number |
19H03543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
矢野 真人 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20445414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 理 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20303167)
矢野 佳芳 (早川佳芳) 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (60397320)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥16,250,000 (Direct Cost: ¥12,500,000、Indirect Cost: ¥3,750,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | RNA結合蛋白質 / HITS-CLIP / 運動ニューロン / ALS |
Outline of Research at the Start |
本研究計画では、我々が発見した運動ニューロン特異的なRNA結合蛋白質Qki5によるRNAプログラムの制御および生理的な意義を解析することにより、Qki5によるRNA制御の破綻と病態との関連を明らかにする。さらに、Qki5の下流制御標的の解析からALS病理との関連性が示唆されているため、ヒトALS病理標本を用いた解析へと発展させ、運動ニューロンの脆弱性の謎に迫り、疾患に至る普遍的な分子機構を解明することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動ニューロンに特徴的な発現を示すRNA結合蛋白質を選別し、得られたRNA結合蛋白質を機能解析をする事で、脊髄運動ニューロン固有のRNA制御プログラムを解明し、その生理的機能及びALSなどの運動ニューロン病の病態との関連性を明らかするものである。我々は、これまで約1500種類存在するRNA結合蛋白質の中で、Qki5蛋白質が運動ニューロン特異的な発現を示す唯一のRNA結合蛋白質であることを見出した。次に、蛋白質-RNA相互作用マッピング解析HITS-CLIPとRNAシーケンス技術にマウス遺伝学を組み合わせた解析を実施し、脊髄運動ニューロン固有のRNA制御プログラムを解明し、Qki5の生理的機能及び病態との関連性の解析を進めている。これまでに、発生段階および成体の脊髄における免疫組織学的解析を行い、Qki5蛋白質が神経細胞の中で運動ニューロンにおいてのみ発現する特徴的な発現パターンを有していることが明らかとなった。さらにヒトiPS細胞由来神経細胞を用いたシングルセルトランスクリプトーム解析により、免疫組織学的解析で得られた特徴的なパターンと一致し、Qki5の発現は、運動ニューロン特異的分子isl-1遺伝子と同じクラスターに存在していることが明らかとなった。さらに、Qki5をノックダウンさせた運動ニューロンを用いたトランスクリプトーム解析を実施し運動ニューロン固有の標的下流RNA群の探索を行い、新たなQki5の標的遺伝子群や新規のCryptic exonの発見、また運動ニューロン変性と密接に関わる標的遺伝子群を同定することができた。また、オリゴデンドロサイト前駆細胞OPCの初代培養系を用いたQki5をノックダウン細胞および、皮質ニューロンのRNAseqの統合解析からも、運動ニューロン固有の選択的スプライシング制御を担う因子であることが実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、運動ニューロンに特徴的に発現するRNA結合蛋白質Qki5を見出し、免疫組織学的解析やトランスクリプトーム解析から、運動ニューロンにおけるQki5に着目することができた。また、マウスやヒトモデルにおける運動ニューロンや他のQki5陽性細胞によるRNAseq解析を実施することで、Qki5による運動ニューロン固有のRNAプログラムの実態が明るみになり、大きな成果が得たものを考えている。また、新たにオリゴデンドロサイト前駆細胞OPCや皮質ニューロンのRNA情報との統合解析も行った。Qki5の運動ニューロン特異的コンディショナル欠損マウスの解析を用いた表現型解析では、生後1ヶ月目以降で核膜構造異常などの運動ニューロン変性を示す事を明らかにした。また、組織学的解析および行動学的解析においては、生後1年後以上のマウスの必要性や、長期運動ニューロンの培養系など時間のかかる実験もあることから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA結合蛋白質Qki5がどのような分子機序により運動ニューロンの機能維持と破綻に関わるかを解明するために、以下のように研究を進める。 1. 運動ニューロン特異的なQki5-RNA相互作用部位を同定、マウス運動ニューロン様細胞種であるNSC34細胞を用いて行う。胎生14.5日マウス脳を用いたQki5 HITS-CLIP データと比較しながら、運動ニューロン特異的なCryptic exonにおけるRNA 結合部位の同定や運動ニューロン特異的な標的RNAを抽出し、その機能の検証を行う。 2. 運動ニューロン特異的なトランスクリプトーム解析およびマウス運動ニューロン様細胞種であるNSC34細胞およびヒトiPS細胞由来運動ニューロンに対し、Qki5のsiRNAを導入した細胞から抽出したRNAや蛋白質抽出液を用いた、分子生物学的解析およびバイオインフォマティクス解析を行う。 3. Qki cKOの表現型解析について、Qki5の運動ニューロンにおける生物学的機能を解明するために、Qki cKOの分子生物学的解析、組織学的解析、行動解析を行う。特にALS病理や運動ニューロン病で見られる分子異常について、検討する。また、生後1ヶ月および生後1 年におけるHB9cre/+;Qkfl/flマウスではChAT陽性の運動ニューロンの脱落の検討も行う。さらに、1.2で明らかにしたQki5 の機能喪失によるRNA の代謝異常を介した分子シグナル経路および関連RNA結合蛋白質群に関する組織学的解析を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)