Project/Area Number |
19H04063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | The University of Tokushima (2021-2022) Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology (2019-2020) |
Principal Investigator |
上住 聡芳 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任講師 (60434594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上住 円 (池本円) 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任講師 (70435866)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2019: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
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Keywords | 骨格筋 / 筋再生 / サルコペニア / 間葉系前駆細胞 / 筋幹細胞 / 老化 / 再生 |
Outline of Research at the Start |
老化に伴う組織再生能力の低下は、個体の機能低下・衰弱を導き問題になる。骨格筋は本来、優れた再生能力を備えているが、老化によりやはりその再生能は低下する。よって、「なぜ老化によって筋再生能が低下するのか?」その謎を明らかにし、筋再生システムの老化を予防・改善することができれば、高齢者の健康増進、そして健康長寿社会の実現にとって極めて有益になる。本研究では、独自に見出した筋再生システムの老化に関わるシグナル系について研究し、筋再生システムの若返りを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
老化に伴う組織再生能力の低下は、個体の機能低下・衰弱を導き問題になる。骨格筋は本来、優れた再生能力を備えているが、老化によりやはりその再生能は低下する。我々はこれまでに、再生筋組織中のIGF-IIレベルの低下が、老化に伴う筋再生能低下を導く原因の一つであることを報告している。IGF-IIは筋組織中の間葉系前駆細胞から産生され、筋幹細胞の増殖促進や間葉系前駆細胞自身の脂肪化を抑制することで筋再生を促進する。一方、間葉系前駆細胞による筋の脂肪化抑制法開発の過程で、レチノイン酸(RA)に強力な脂肪化抑制効果があることを明らかにした。重要なことに最近、間葉系前駆細胞におけるIGF-IIの発現にRAシグナルが必要であることを見出した。これらから、間葉系前駆細胞におけるRA-IGF-II軸が筋再生にとって極めて重要と考えられる。そこで、RA-IGF-II経路の分子機構や生理的機能および加齢変化を精査し、RA-IGF-II経路を活性化することで筋再生システムの若返りを図る。 2020年度までの成果として、RAシグナルレポーターマウスを用いた筋再生過程の解析によって、間葉系前駆細胞に細胞自律的なRAシグナルが、そして、筋幹細胞には細胞非自律的なRAシグナルが伝わっていることが明らかとなった。そこで2021年度は、Cre依存的にdominant negative RARが発現しRAシグナルが阻害されるR26<RAR403>マウスを用いて、間葉系前駆細胞と筋幹細胞のそれぞれでRAシグナルを阻害し、それぞれの細胞が受ける影響、および、筋再生へ及ぼす影響を調べた。その結果、「現在までの進捗状況」に詳説するが、間葉系前駆細胞における細胞自律的なRAシグナルを阻害した際の影響が特に大きく、SASP関連遺伝子の異常な発現亢進が生じることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
間葉系前駆細胞における細胞自律的なRAシグナルが阻害されるマウス(Pdgfra-CreER;R26<RAR403>)、および、筋幹細胞における細胞非自律的なRAシグナルが阻害されるマウス(Pax7-CreER(T2);R26<RAR403>)を作製し、それぞれのマウスの筋再生過程から間葉系前駆細胞と筋幹細胞を単離し、RNA-seqによって遺伝子発現解析を行った。データを主成分分析したところ、Pdgfra-CreER;R26<RAR403>由来の細胞は、コントロールマウス由来の細胞と大きく乖離することが明らかとなった。一方、Pax7-CreER(T2);R26<RAR403>由来の細胞は、コントロールマウス由来の細胞と大きく変わらなかった。これらの結果は、間葉系前駆細胞における細胞自律的なRAシグナルが、特に筋再生に及ぼすインパクトが大きいことを意味する。そこで、Pdgfra-CreER;R26<RAR403>由来間葉系前駆細胞で起こる変化を調べ、間葉系前駆細胞における細胞自律的RAシグナルの下流で制御される生物学的イベントを明らかにしようと考えた。バイオインフォマティクスによって、Pdgfra-CreER;R26<RAR403>由来間葉系前駆細胞で有意に発現変動する遺伝子セットを抽出したところ、特にSASP関連遺伝子が顕著に発現亢進していることが明らかとなった。 細胞種特異的にRAシグナルを制御できるマウスを作製することで、精度の高い解析結果が得られ、間葉系前駆細胞における細胞自律的RAシグナルとSASPの関連を明らかにするまでに至ったことから、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果から、間葉系前駆細胞における細胞自律的RAシグナルがSASPの制御に関わると考えられた。SASPは発現する細胞自身だけでなく、周辺の細胞にも作用し悪影響を及ぼす。既に、Pdgfra-CreER;R26<RAR403>由来間葉系前駆細胞の遺伝子発現データは取得済みであり、今後、これを元にSASP因子を絞り込むとともに、SASP因子が作用する細胞種の同定と、SASP因子が及ぼす影響について解析する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)