Project/Area Number |
19H04212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
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Research Institution | University of Toyama (2020-2022) Kanazawa Medical University (2019) |
Principal Investigator |
伊藤 哲史 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (90334812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 宗範 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (30422942)
高橋 宏知 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (90361518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 聴覚 / 神経回路 / 符号化 / brain machine interface |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、言語音のような時間変化する複雑音の脳内情報表現様式を単一細胞レベル及び神経回路レベルの両面から解明することによって、下丘における最適な脳機械インターフェイス(BMI)刺激様式を明らかにすることである。従来のBMI研究では神経回路を構成する細胞の「個性」には頓着せず、電気刺激によって無差別に神経回路の刺激を行ってきたが、申請者の過去の研究から、局所回路を構成する細胞には「個性」があり、複雑音を脳内で再生するためには細胞種特異的な刺激法と空間に限局した刺激法の両方を考慮に入れる必要があると考えた。この点が類似研究にはない独自の着眼点である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の3種類の実験を行った。 実験1:フラビンイメージングによって同定した聴覚野サブ領域にretrograde AAVCre、内側膝状体にAAV9-FLEX-TVA-deltaG-GFPとEnvA-rabies-mCherryを注入することで、下丘⇒内側膝状体⇒聴覚野という2シナプス経路を可視化した標本25匹のデータの追加解析を行った。今回特にこの2シナプス経路の起点となる下丘のニューロンの細胞種構成に経路ごとの違いがないか検討を進めている。 実験2:覚醒状態のVGAT-ChR2マウスからの多チャンネル同時電気活動記録システムの構築を進めた。チャネル数を12チャネルまで増やして多数の細胞からの応答を分離記録することに成功した。また光刺激に対する細胞応答の記録にも成功した。ただし自発活動および音に対する反応と光刺激に対する反応の対応付けはまだ完全には成功しておらず、そのための解析手法の開発を行っている。 実験3:視覚野と聴覚野で,硬膜上から神経反応を同時計測できる実験系を確立した.視覚・聴覚刺激に対する脳活動から,視覚野と聴覚野の相互作用を考察した.また,ラットの視床の電気刺激が聴知覚に及ぼす影響を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験1:狂犬病ウイルス使用実験の大臣確認が行われ、実験が行える環境が構築できた。 実験2:実験自体は順調に行っている一方、解析方法の確立に課題がある。 実験3:昨年度は,領野間の情報流を可視化できるデータ解析方法を確立し,今年度は,領野間の相互作用を調べる計測系を確立した。 これらのことを勘案して、全体としては概ね順調に進展していると判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験1:覚醒状態での安定した記録条件を確立し、フラビンイメージング以外の生理学記録も行うことを検討する。麻酔下実験でのデータについては解析が進んでいるため、最終年度での投稿を目指す。 実験2:今後は自発活動および音に対する反応から得られるスパイク応答と、光刺激に対するスパイク応答との対応付けを行うための解析技法の開発を進める。対応が困難となる理由は、光刺激によって惹起されるスパイク応答ではチャネルロドプシンによる電流が細胞に流れるため、スパイク形状が自然なスパイク活動とは異なることが原因であるが、光応答における形状の変化パターンを明らかにすることで堅牢性の高い対応付けを行うことを考えている。 実験3:他感覚や複数領野との相互作用を利用して,時間変化する聴覚情報を効率的に符号化させる刺激方法を検討する. そして、最終年度はこれら3実験を統合した新たな実験系(覚醒・多チャンネル・オプトジェネティクス実験系)の確立を目指す。
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