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Anammox細菌の機能分化を探る:実は多様なAnammox

Research Project

Project/Area Number 19H04241
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Allocation TypeSingle-year Grants
Section一般
Review Section Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

黒岩 恵  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00761024)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高見 英人  東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (70359165)
大久保 卓  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海底資源研究開発センター, ポストドクトラル研究員 (70749275)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2020)
Budget Amount *help
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2019: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
Keywordsアナモックス / 15N トレーサー / メタトランスクリプトーム / メタゲノム / 代謝ポテンシャル解析 / anammox / 15Nトレーサー
Outline of Research at the Start

本研究では、申請者らが集積・ゲノム再構築を行った新種のanammox細菌を対象に、メタトランスクリプトーム解析と独自に開発した同位体化学的手法とを駆使することで、詳細なanammox代謝経路とそれを担う遺伝子の解析を行う。さらに、独自に開発した最新の生理・代謝機能評価システム(MAPLE)と種々の比較ゲノム解析ツールを用いて、複数のanammox細菌の機能ポテンシャルとゲノム構造の詳細な解析を行う。これらの知見を統合し、これまで注目されてこなかったanammox代謝経路の多様性を明らかにするとともに、原始的anammox反応から多様化した進化プロセスの謎に迫る。

Outline of Annual Research Achievements

令和元年度は、所有する2基のリアクターについて、メタトランスクリプトーム解析および、複数回のメタゲノム解析を行った。メタゲノム解析については、同一試料についてプラットフォームおよびリード長の異なる解析を行い、リード長が群集構造解析の結果へ及ぼす影響について検討し、解析方法を決定した。
また、リアクターに集積するanammox細菌の「実際の」基質について洞察を得るため、バイオマスを分散させた条件で、15Nトレーサーでラベルされた複数種の基質を与えて、活性を評価した。バイオマスを撹拌し、分散させることで、亜硝酸とアンモニウムを基質した場合のanammox経路によるN2生成活性はほぼ完全に阻害された。また、このとき、脱窒経路によるN2生成活性も顕著に低下した。一方で、亜硝酸の代わりにanammoxの中間生成物であるヒドロキシルアミンを基質とした場合、分散処理によるanammox活性の阻害はみられなかった。このことから、亜硝酸を基質とした場合のanammoxおよび脱窒は、いずれも複数の菌が連携して中間生成物を受け渡すことにより成立していることが示唆された。
また、ゲノム解析からも、亜硝酸を基質としないanammox反応が一般的に存在する可能性がサポートされた。リアクターに集積するanammox細菌の完全ゲノム (Ca. Brocadia pituitaeと命名)とこれまで報告された複数のanammox細菌の完全ゲノム(1例のみ)およびドラフトゲノムを用いたコアゲノム解析と系統解析結果から、既知の亜硝酸還元酵素遺伝子(nir)は水平伝播により獲得され、保有しないanammoxのグループは希少ではないことが示された。さらにHao様タンパク遺伝子をコードする遺伝子群の保有パターンが系統や種ごとに多様であることが示され、この多様性がanammox代謝の多様性に関連する可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究ではトレーサーを用いた物質動態解析とメタゲノム・メタトランスクリプトーム解析、および比較ゲノム等のゲノム解析を組み合わせて、anammoxの代謝経路の詳細と、anammox経路の多様性およびその進化的背景について明らかにすることを目的としている。本年度は複数の15Nラベル基質を用いた活性試験により、anammox細菌が単独で利用する基質について新たな洞察を得たが、基質添加条件でのメタトランスクリプトームの実施と両者のデータを照らし合わせる段階までは到達しておらず、この点ではやや進行が遅れている。一方で、比較ゲノムについては、nirおよびhao遺伝子の保有パターンやその起源についての解析が予定を上回って進展した。よって、全体としての進行度はおおむね順調であると判断した。

Strategy for Future Research Activity

R2年度はanammox反応の基質・中間生成物であるNH4+, NO2-, NO, NH2OHについて、15Nラベルされた物質を添加して培養を行う。令和元年度の結果から、添加する基質の濃度が物質動態に大きく影響する可能性が示唆されたため、リアクター環境を模した、極力低い濃度での試験を検討する。さらに、生成される N2に加え、NO2-, NO, NH2OHの濃度・同位体比の時系列変化を測定する。前年度に培養中の溶存無機態窒素のうちNH4+,NO2-, NO3-についてはサンプルの回収と測定が可能であることを確認した。そこで今年度はまず、NH2OHの濃度と同位体比のGC/MSによる測定システムの構築を行う。完了後はトレーサー添加培養を行い、複数のanammox反応経路の候補の中から、いずれの反応経路が支持されるのかを検証する。また、同じく種々の基質の添加条件下でメタトランスクリプトームとメタゲノム解析を行い、有意に発現する遺伝子の情報と物質代謝の情報との比較を行う。

Report

(1 results)
  • 2019 Annual Research Report

Research Products

(3 results)

All 2020

All Presentation

  • [Presentation] anammox 反応の原型はNOを電子受容体として利用していた2020

    • Author(s)
      大久保 卓、豊田 敦、福原 康平、内山 郁夫、黒岩 恵、針ヶ谷 優生、鈴木 拓磨、村上 由夏、諏訪 裕一、高見 英人
    • Organizer
      日本ゲノム微生物学会 第14回年会
    • Related Report
      2019 Annual Research Report
  • [Presentation] 分散操作によるアナモクス活性の阻害とヒドロキシルアミン添加による回復2020

    • Author(s)
      鈴木拓磨,黒岩 恵,川面佑登,諏訪裕一
    • Organizer
      第54回日本水環境学会年会
    • Related Report
      2019 Annual Research Report
  • [Presentation] アナモクスリアクターにおける窒素代謝の速度 論的解析2020

    • Author(s)
      黒岩恵、鈴木拓磨、髙見英人、大久保卓、諏訪裕一
    • Organizer
      日本生態学会 第67回全国大会
    • Related Report
      2019 Annual Research Report

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Published: 2019-04-18   Modified: 2021-01-27  

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