Project/Area Number |
19H04390
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
|
Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
井口 由布 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (80412815)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 歌織 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 客員研究員 (40547999)
大形 里美 九州国際大学, 現代ビジネス学部, 教授 (30330955)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
|
Keywords | 女性器切除 / ジェンダー / 女性の身体 / 東南アジア / アフリカ / セクシュアリティ / FGM / FGC |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は東南アジアとアフリカにおける「女性器切除 (FGM)」実践の現状と人々の意識を調査することで、「FGM」をポスト植民地における女性の身体の支配に関する現代的な問題としてとらえなおすことである。近年「FGM」論は、女性の人権を擁護する「普遍主義」と現地の伝統を重視する「文化相対主義」の対立から抜け出られなくなっている。これに対して本研究は「FGM」をめぐる論争が「女性の身体への管理の増大」という共通の前提によって成り立っているのではないかと考え、この共通性を「FGM」におけるマイナー地域とみなされる東南アジアに焦点を当てつつ、アフリカにおける最新の研究との比較を通して明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「女性器切除 female genital mutilation (FGM)」実践の現状と人々の意識を調査することを通して、「FGM」をポスト植民地における女性の身体とセクシュアリティの支配に関する現代的な問題としてとらえなおすことを目的とする。本研究はこの目的を東南アジアとアフリカにおける実践を比較研究することによって遂行する。 新型コロナ感染症によるパンデミックによって2020年度の助成金は、2021年度、2022年度にわたって執行された。2020年度は、本研究課題の要である海外での調査が敢行できなかったため、先行研究調査や2019年度の調査のまとめを行い、本科研メンバーで国際学会において中間報告としてのパネル報告を行なった。 2021年度は、女性器切除に関する英語による著作の出版が計画され、研究分担者である宮地歌織が編者の1人として関わった。本科研代表者や海外研究協力者2名も執筆に参加し、2023年2月にスプリンガー社から『Female Genital Mutilation/Cutting』が出版された。2021年度も海外調査ができなかったため、出版プロジェクトのほかに、先行研究の調査、オンラインを活用した研究会、海外研究者やNGO関係者とのネットワーク形成を行なった。 2022年度は延期された海外調査を実施した。東南アジアに関しては、代表者がマレーシアの海外研究協力者とともに、ベトナムにおける量的調査の回収作業とデータ解析、質的調査の実施、カンボジアにおける量的調査の回収作業と質的調査の事前準備を行なった。アフリカに関しては、分担者が現地出張をし聞き取りを行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症のパンデミックによって、2020年度から2021年度まで海外における調査ができなかった。2020年度、2021年度に当初予定していた海外での調査は、ベトナム、カンボジア、南タイ、インドネシア、ケニアであった。2022年度から海外調査を開始したが、2年間の遅れを1年で取り戻すことがまだ難しく、2020年度に予定していた調査に目処がたったところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は本研究課題の最終年となる。東南アジアに関しては、カンボジアでの質的調査、南タイでの質的調査を敢行し、データの整理と分析を行う。これによりベトナム、カンボジア、南タイの3地域における量的調査と質的調査のデータがすべてそろうことになる。これらを解析し、国際学会において成果報告を行う。その後、調査地ごとに医学的見地からの論文とジェンダーの観点からの論文を執筆し、国際的な査読誌に投稿する。インドネシアやマレーシアにおける調査の可能性についても探り、東南アジアにおける包括的な女性器切除研究をめざす。アフリカに関しては、すでに調査を終了しているので、データの解析を行い、国際学会での報告を行う。そののち、論文を執筆し国際的な査読誌に投稿する。 本研究課題はアフリカと東南アジアに関する女性器切除問題について国際的な研究ネットワークの構築に貢献をし、本研究メンバーもふくんだ著者たちによって2023年にスプリンガー社から英語での著作が出版された。この著作についての国際的な出版シンポジウムなどを催すことで、アフリカと東南アジアに関する女性器切除研究の国際的なネットワークの維持と発展を試みる。
|