Project/Area Number |
19H05617
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section C
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木須 隆暢 九州大学, 超伝導システム科学研究センター, 教授 (00221911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東川 甲平 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (40599651)
呉 澤宇 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (40962147)
和泉 輝郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (20415938)
中村 武恒 京都大学, 工学研究科, 特定教授 (30303861)
井上 昌睦 福岡工業大学, 工学部, 教授 (80346824)
寺西 亮 九州大学, 工学研究院, 教授 (70415941)
鈴木 匠 成蹊大学, 理工学部, 助教 (70756238)
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Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥199,940,000 (Direct Cost: ¥153,800,000、Indirect Cost: ¥46,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥27,820,000 (Direct Cost: ¥21,400,000、Indirect Cost: ¥6,420,000)
Fiscal Year 2022: ¥27,300,000 (Direct Cost: ¥21,000,000、Indirect Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2021: ¥27,300,000 (Direct Cost: ¥21,000,000、Indirect Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2020: ¥58,760,000 (Direct Cost: ¥45,200,000、Indirect Cost: ¥13,560,000)
Fiscal Year 2019: ¥58,760,000 (Direct Cost: ¥45,200,000、Indirect Cost: ¥13,560,000)
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Keywords | 高温超伝導線材 / 導体 / コイル / マグネット / 電気電子材料工学 / ロバスト性 / 電流輸送特性 / 欠陥検出 / 磁気計測 / 機械学習 / AI |
Outline of Research at the Start |
希土類系高温超伝導線材はその優れた特性により、液体ヘリウムを必要としないマグネット等への応用が期待されている。しかしながら、長尺線材の局所不均一性やマグネット巻線時の不安定性が顕在化しており、その機構はまだほとんど解明されていないばかりか、その為の方法すら明らかとなっていない。本研究では、申請者等がこれまで開発した超伝導線材、導体、コイルの欠陥検出や電流輸送特性評価手法を体系化すると共に、これまで独立に進められてきた線材、導体、コイルの開発を融合し、線材性能に応じた導体、コイル化技術の開発と線材仕様の最適化によって、ロバスト性の飛躍的向上と低コスト化、さらにマグネットの高信頼性を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに開発した磁気顕微法に機械学習による画像解析を導入した欠陥検出技術を用いて、実際の線材の実用環境となる磁界中ならびに極低温下の臨界電流(Ic)の局所不均一性を高解像度にかつ連続に測定することに成功し、これまで未知であった実用線材の局所的なIc不均一性の実用環境下の挙動を実測によって初めて明らかとした。並行して、極低温、磁界下における素線の電界ー電流密度特性を10^-13 V/mの超低電界領域を含む広い電界において実測する事に成功した。以上により、動作環境下によって複雑に変化する実用長尺線材の電流輸送特性を高精度に記述するデジタルツインための基盤技術を確立した。 また、高速磁気顕微計測を用いて線材の実用環境下のIcを高速に計測し、データ駆動型のアプローチによって作製プロセスパラメータとの関係を調べ、プロセス因子の影響を明らかとした。本方法をもとに、一般に線材性能の指標に用いられている液体窒素中、自己磁界近傍のIcと、実用環境となる低温、磁界中のIcとでプロセス条件対する依存性が異なっている事を実験的に明らかとし、線材特性の再現性向上のためのプロセス条件の最適化について新たな方法論を示した。 素線の評価技術を長尺のFFDS導体評価技術に適用し、高ロバスト性複合導体の評価手法を確立すると共に、導体の作製条件へとフィードバックすることで導体作製速度を10 m/h程度まで高速化し、コイル試作に供し得る長尺高ロバスト性導体の作製技術を確立した。 さらに、上述した高ロバスト性FFDS導体を用いた電流印加試験により、直流、交流バイアス時の損失発生ならびに熱安定性に対する基礎データを取得し、これまでに取得したFFDS導体の機械特性などの基本特性を統合して、最終試験用コイルの設計を終えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.素線の性能向上のための評価手法の確立と新たな機能の開拓:昨年度までに開発した高速磁気顕微法に機械学習による画像解析を導入した欠陥検出技術を用いて、実際の線材の実用環境となる磁界中ならびに極低温下の連続Ic測定に初めて成功し、現在広く用いられているIBAD-PLD法による長尺線材における局所Icの空間変化に及ぼす温度、磁界の影響を明らかとした。並行して、極低温、磁界下における量子化磁束挙動を10^-13 V/mの超低電界領域を含む広い電界のダイナミックレンジにおいて実測し、理論解析との比較によって定量的な記述を可能とした。また、上述した磁気顕微計測によって得られた実用環境下のIcと作製プロセスパラメータとの関係をデータ駆動型のアプローチによって調べ、プロセス因子の影響を明らかとした。 2.高ロバスト性FFDS導体の開発:素線を複合化したFFDS導体作製時の素線の健全性を長尺に亘って高速に評価する手法を確立すると共に、複合化プロセスにフォードバックし、素線の健全性を保った状態で、安定して10 m/hの複合化処理が可能なプロセスを確立した。 3.コイル化:上述した高ロバスト性導体を用いた電流印加試験により、直流、交流バイアス時の損失発生ならびに通電限界電流を規定する熱安定性に対する基礎データを取得すると共に、これまでに取得したFFDS導体の機械特性等とも統合して最終試験用コイルの電磁気的設計を完了した。 以上により、次年度に予定しているコイルの高速励磁試験と高信頼性コイルの実現に向けて準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.素線の性能向上のための評価手法の確立と新たな機能の開拓:これまでに開発した磁気顕微鏡観察と機械学習を統合した解析手法を更に高度化させ、現在適用されているいくつかの異なる実用プロセスによる線材の特徴、差異を明確化すると共に、量子化磁束挙動に関する考察と統合する事によって、実用線材の空間不均一性に関する確率論的特性変化をも取り込んだ、電流輸送特性の高精度なモデリングを進める。また、複雑で多数の制御パラメータを有する作製プロセスと、得られる線材の特性の関係を明らかとする事で、使用環境に応じて作製条件を最適化するための方法論を確立する。 2.高ロバスト性FFDS導体の開発:現在普及している複数の希土類系高温超伝導線材メーカーによる異なるアーキテクチャによる素線の導体化についても検討し、線材構造や安定化層の作製手法の異なる線材に適用可能な導体化技術を確立する。 3.コイル化:これまでの研究を統合する事で、希土類系高温超伝導線材を用いたコイルの高速励磁試験を実施し、コイルの可設計性と高信頼性を実証する。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
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