Project/Area Number |
19H05658
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section I
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津田 誠 九州大学, 薬学研究院, 教授 (40373394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八坂 敏一 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (20568365)
山下 智大 九州大学, 薬学研究院, 講師 (30645635)
|
Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥199,810,000 (Direct Cost: ¥153,700,000、Indirect Cost: ¥46,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥36,530,000 (Direct Cost: ¥28,100,000、Indirect Cost: ¥8,430,000)
Fiscal Year 2022: ¥38,220,000 (Direct Cost: ¥29,400,000、Indirect Cost: ¥8,820,000)
Fiscal Year 2021: ¥41,600,000 (Direct Cost: ¥32,000,000、Indirect Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2020: ¥42,640,000 (Direct Cost: ¥32,800,000、Indirect Cost: ¥9,840,000)
Fiscal Year 2019: ¥40,820,000 (Direct Cost: ¥31,400,000、Indirect Cost: ¥9,420,000)
|
Keywords | 神経障害性アロディニア / 一次求心性神経Aβ線維 / 光遺伝学 / 脊髄後角神経回路 |
Outline of Research at the Start |
がんや糖尿病,脳梗塞などに伴う神経系の障害により,モルヒネにも抵抗性を示す神経障害性疼痛が発症する。特に,触刺激で誘発される激烈な痛み(アロディニア)の治療は困難で,多くの患者が苦しんでいるが,「なぜ触覚が痛覚に変わるのか」という根源的な問いは未解明である。本研究では,代表者らがこれまで構築した疼痛・グリア研究基盤と,最近確立した技術(新規アロディニア評価法,神経サブセット特異的機能制御法)を融合させ,アロディニアに直結する神経回路とその動作異常を特定し,触から痛への転換メカニズムを解明する。そして,アロディニアの発症メカニズムの理解を深め,画期的な創薬シーズの発見に繋げる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究からニューロペプチドYプロモーター制御神経サブセット(AAV-NpyP+神経)の活動低下のメカニズムとしてグリア細胞の関与が示唆されたことを踏まえ,今年度も継続してその解析を進めた。AAVを用いて脊髄後角アストロサイトに恒常活性型STAT3を発現させたラットでは,AAV-NpyP+神経の静止膜電位の低下とアロディニアが認められ,同ラットのアロディニアはAAV-NpyP+神経活動をDREADD法にて高めることで抑制された。さらに,アストロサイト由来因子としてマトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP2)に注目し,AAVを用いたCRISPR-Cas9システムによってMMP2をノックダウンさせたところ,神経損傷によるアロディニアおよびAAV-NpyP+神経の静止膜電位の低下が共に正常化することを明らかにした。 脳から脊髄後角へのトップダウンシグナルについては,マウスの全脳イメージング解析から得られた結果をもとに,DREADD法を用いて脊髄後角へ投射する各脳部位の神経活動を操作したところ,一次体性感覚野から脊髄後角に投射する下行性神経が神経障害性アロディニアに重要な役割を担うことを明らかにした(Fujimori et al., Neurosci Res, 2022)。さらに,疼痛関連行動に大きな影響力を有する脳部位Xも特定することができた。 神経障害性アロディニアに直結するAAV-NpyP+神経の活動低下を是正する方法として,分子Xの効果に注目し,AAVを用いた治療法の基盤的技術の確立を目指す検討を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の実施項目として計画した内容を遂行し,その中で複数の成果を得た。(1)神経損傷後のAAV-NpyP+神経における静止膜電位の低下およびアロディニアに関わるアストロサイト由来因子としてMMP2を特定した。(2)脳からのトップダウンシグナル経路として複数の脳部位を特定した。これらは,モルヒネ抵抗性のAβ線維由来アロディニアの神経回路を解明するうえで非常に重要な成果であり,今後の研究の大きな進展が期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の交付申請書の各項目(以下)に従って順次予定通り実施し,分子から細胞,個体レベルで包括的に研究を進めていく。 (1)グリア細胞によるAAV-NpyP+神経の活動低下のメカニズム (2)脳から脊髄後角へのトップダウン制御メカニズム (3)AAV-NpyP+神経の活動低下を正常化する方法の探索
|
Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
|