Budget Amount *help |
¥182,650,000 (Direct Cost: ¥140,500,000、Indirect Cost: ¥42,150,000)
Fiscal Year 2023: ¥38,090,000 (Direct Cost: ¥29,300,000、Indirect Cost: ¥8,790,000)
Fiscal Year 2022: ¥33,020,000 (Direct Cost: ¥25,400,000、Indirect Cost: ¥7,620,000)
Fiscal Year 2021: ¥33,020,000 (Direct Cost: ¥25,400,000、Indirect Cost: ¥7,620,000)
Fiscal Year 2020: ¥33,020,000 (Direct Cost: ¥25,400,000、Indirect Cost: ¥7,620,000)
Fiscal Year 2019: ¥45,500,000 (Direct Cost: ¥35,000,000、Indirect Cost: ¥10,500,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
高血圧症はそのほとんどが原因不明の本態性高血圧症である。脳による血圧制御は交感神経の活性化を介しているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。血液-脳関門が欠損した感覚性脳室周囲器官(sCVOs)は、脳が体液情報を取得する場であり、その情報に基づいて血圧や水分・塩分欲求、尿量など体液恒常性維持に関わる様々な生理機能を制御している。本年度は我々自身の研究成果を中心にその全体像をまとめた総説論文(Noda & Matsuda, Proc. Jpn. Acad. Ser. B Phys. Biol. Sci., 2022)を発表した。 交感神経制御中枢と呼ばれる室傍核(PVN)や 頭側延髄腹外側野(RVLM)は、sCVOsから神経連絡のある下流の神経核であり、様々なシグナルが集約・統合される。PVNやRVLMは、交感神経の活動制御を通して主に血圧制御を行っている。これまでの研究から、sCVOsである脳弓下器官(SFO)および終板脈管器官(OVLT)からアンジオテンシンII(Ang II)と[Na+]上昇のシグナルがそれぞれPVNに伝達されているという結果を得ている。 また、肥満に伴い高血圧症を呈することが知られているが、高度の肥満状態では、血中のレプチン濃度が約10倍に上昇する。腹腔内投与によって同程度までレプチン濃度を上げると、2時間程をかけて血圧上昇が生じることが明らかになった。また、このレプチン投与に伴い、OVLTおよび視索前野(POA)、孤束核(NTS)などの脳領域において神経活動が亢進していることを明らかにした。 一方、近年、ミクログリア等の脳内免疫細胞の活性化(脳内炎症)が血圧上昇に関与している可能性について指摘され始めた。本研究では、sCVOsにおける脳内免疫細胞の活性化が血圧上昇の初発段階である可能性について検討する。
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