Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
植生観測において,葉面積指数やバイオマスといった植生パラメータの観測は,気候変動などの環境変化による植生への影響評価を行う上でも重要なパラメータである。しかし,これらのパラメータの観測には,大きな労力と時間を必要とする上,点的な観測しか行うことが出来ず,現地観測が難しい項目である。本研究は,ドローンを用いたリモートセンシングに基づき,植生パラメータを簡易かつ面的に観測するための推定モデルの導出を行うと同時に,観測されたシグナルに対する詳細な解析・解釈を行い,そのシグナルの意味を明らかにする。
本年度は,新型コロナウイルスの影響を考慮し,衛星データなどの野外調査を必要としないデータの収集やこれまでにドローンで撮影したデータの解析および論文の執筆を中心に行った。ドローンの撮影データの解析から,ドローンを用いた近接リモートセンシングに基づく作物のモニタリングにおいて課題となっている,観測時の天候の影響(日射条件の影響)を補正する経験モデルの作成および補正法を考案した。具体的には,晴天時で直達日射が卓越する状況ほど,太陽高度の変化による植生指数(NDVI)の値の変化が大きいため,この影響を考慮した補正係数を観測データに基づいた経験式で求めた。この植生指数は,植物の葉面積やバイオマスと密接にかかわるものであるだけでなく,作物の活性度や生育むらを評価する際にも用いられる。その植生指数における日射条件の補正は,環境モニタリングの分野だけでなく農学分野など,広く必要とされるものである。また,本研究で考案した方法は,補正に必要なパラメータの数および複雑性が高くなく,簡易性が高いという点も大きな特徴である。補正に必要なパラメータが多く複雑な場合,そのパラメータを得ること自体が困難になる場合があるが,本研究の手法では,ドローンで観測した植生指数のほかに必要な実測するパラメータは,全天日射量のみである。この成果は,2020年度の日本リモートセンシング秋季学術大会で発表した。加えて,現在国際誌に投稿中である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Agronomy
Volume: 10 Issue: 3 Pages: 431-431
10.3390/agronomy10030431
Hydrological Research Letters
Volume: 14 Issue: 1 Pages: 56-61
10.3178/hrl.14.56
130007815046