Project/Area Number |
19J00599
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健介 九州大学, 比較社会文化研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | エルサレム / 聖地 / 都市生活 / イスラーム観光 / パレスチナ / 紛争 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、シリア、イラク、パレスチナにおける紛争の事例を取り上げ、政治的次元における宗教対立と聖地における宗教間関係の変容過程を分析し、歴史的性格と調和の取れた聖地の共存について探究する。すでに分析を開始しているパレスチナの聖地紛争の事例(エルサレムとヘブロンの二都市)を軸として、紛争の深刻化のプロセスとそこからの競合的共存の回復について分析のモデルを提示する。これら複数の事例を横断して取り上げることで、「歴史的シリア」と呼ばれる東地中海地域を中心に、中東全域に適用可能な枠組みの形成を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
まず、昨年度に刊行した単著の内容をベースとして「宗教と社会」学会第28回学術大会で研究発表を行った。この報告では、エルサレム社会で実生活を営むパレスチナ人ムスリムの視点を中心に、社会的・経済的な側面から聖地そのものを捉え直し、そこでの紛争の諸相についても理解を深めようと試みた。その上で、生活者の視点に立った「世俗的」な聖地の捉え直しは、中東地域内外の個別事例の分析を通じて今後も継続されるべきであると指摘した。 また、エルサレムの聖地紛争を捉える新たなトピックとして、イスラエル占領下の聖地参詣をめぐるアラブ人ムスリムの論争について取り上げた。国際ワークショップでの報告ならびに『イスラーム世界研究』に投稿した論文において、アラブ諸国のムスリムが、かつてはタブー視されてきたイスラエル占領下でのエルサレム参詣に意欲を見せ始めた経緯に着目し、論争の全体像やその展開の把握を試みた。さらに、現在審査中の論文では、イスラエルとアラブ諸国の和平締結によって、イスラエルの観光産業界においてもムスリム観光への注目が高まっていることを指摘し、今後の観光促進がもたらしうる現実的な諸課題についても検討した。これまで、エルサレムにおける宗教間関係の研究では、主に地域住民が日常生活・社会生活のなかで取り結ぶ関係性に注目が集まってきたが、海外からのムスリム観光客という新たなアクターを追加することで、より立体的・多面的に宗教間関係を捉えることが可能になると思われる。この新しい観点の導入は、シリアやイラクを含む、エルサレム以外の事例においても宗教間関係の動態を正確に理解する助けになりうると考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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