Project/Area Number |
19J00858
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
角田 一樹 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 原子層物質 / 二次元物質 / 角度分解光電子分光 / 磁性 / 分子線エピタキシー |
Outline of Research at the Start |
本研究では、二次元ファンデルワールス原子層物質VSe2の室温強磁性発現機構を、精密構造解析、原子スケール表面構造イメージング、スピン偏極微細電子構造解析、元素選択的磁気モーメントの評価によって解明することを最大の目的とする。特に、薄膜作製から構造評価、電子状態観測の一連の研究プロセスを超高真空下で行うことで、本質的な物性解明を目指す。また、トポロジカル絶縁体やグラフェンに代表されるディラック電子系と強磁性原子層薄膜のヘテロ構造を作成し、新奇二次元ファンデルワールスヘテロ構造の創生および物性評価も目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、室温強磁性が報告されている単層VSe2を高配向性熱分解グラファイト(HOPG)基板上に作成し、その電子構造の観測を通して強磁性発現機構の解明を行うことを目的とした。まず、高品質HOPG基板の清浄化方法を確立させた。HOPG基板は、スコッチテープによる劈開法と超高真空下での長時間アニールを組み合わせることによって清浄化を行った。基板温度を250℃に保ちながらVとSeを共蒸着することで、単層VSe2の作成に成功した。角度分解光電子分光によって観測された単層VSe2/HOPGの電子構造は先行研究の結果と良い一致を示した。しかしながら、強磁性秩序を特徴付ける交換分裂は観測されず、室温で非磁性体であることを示唆する結果が得られた。また、単層から複数層のVSe2を作成することにも成功し、電子構造の膜厚依存性を系統的に測定した。さらに、基板温度を400℃以上に保ちながらV, Se共蒸着を行ったところ、250℃のときとは異なる電子構造が観測された。反射高速電子線回折および低速電子線回折によって詳細な構造解析を行ったところ、高温で成膜した場合、VSe2ではなくV5Se8が形成されていることが明らかとなった。また、低温で成長させた複数層のVSe2を400℃程度でアニールを行うことでもV5Se8が形成されることが分かった。V5Se8はバルクでは反強磁性体であることが知られているが、原子層薄膜における電子構造に関する研究はほぼ皆無であり、今回初めて明らかとなった。今後、第一原理計算と磁気円二色性分光を単層のVSe2とV5Se8について行うことで、より詳細な電子・磁気構造に関する知見を得る予定である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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