Project/Area Number |
19J10109
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木田 基 広島大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ペーパースプレーイオン化法 / 極低温気相分光 / 配位子保護金クラスター |
Outline of Research at the Start |
金クラスターは,数個から数百個の金原子で構成された集合体であり,バルク(大きな塊の状態)では見られない特異的な性質を示す。この特徴から,金クラスターは,触媒・光学材料・電子材料など様々な機能性材料の基本単位としての利用が期待されている。ここで,金クラスターを基盤とする新奇機能性材料の開発には,その構造と機能の関係を十分に理解し,合理的な設計指針を立てる必要がある。 そこで本研究の概要は,我々独自の研究手法である極低温・気相分光法(イオンを気体状態で10K程度まで冷却したのち,紫外~赤外スペクトルを観測する手法)により,金クラスターの構造を詳細に決定し,様々な機能との関係を明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々はこの数年来,クラウンエーテル-金属イオン錯体などのイオン包接錯体について,我々独自の研究手法である極低温・気相分光(イオンを気体状態で10K程度まで冷却した後に,その吸収スペクトルを観測する手法)を行い,そのスペクトルを観測してきた。そして得られたスペクトルを基に,イオン包接錯体の構造を厳密に決定し,その特殊な機能との関係を明らかにしてきた。 次に,我々はこの独自の研究手法を金クラスターに適用することを計画した。金クラスターは,革新的な機能を示す触媒として近年注目を浴びている。そこで我々は,金クラスターが触媒として作用するときの化学反応の中間体について,極低温・気相分光法を適用し,その反応機構を実験的に明らかにすることを目指した。本研究では,エレクトロスプレーイオン化法を用いた現有装置のイオン源を変更し,ペーパースプレーイオン化(PSI)法を用いたイオン源を新規に開発する。これにより,PSIで使用する,ろ紙の上に金クラスターを担持しておき,そこに反応溶液を滴下することで,反応を開始させ,生成した中間体を迅速に装置内へと導入し,微量かつ短寿命な反応中間体の検出を試みる。 当該年度について,我々はまずPSIイオン源の新規設計・開発に取り組んだ。そして開発したPSIイオン源により,テストサンプル(ジベンゾ-18-クラウン-6のカリウムイオン包接錯体)の質量分析および極低温・気相分光に成功した。現段階において,金クラスターの触媒反応における中間体への応用までには至っていないが,PSIイオン源を用いた極低温・気相分光は,世界でも類を見ない分析手法のため,この成功は非常に重要な結果であるといえる。今後,金クラスターをはじめとする様々な金属クラスターの触媒反応への応用が可能となれば,これまで推定されてきた数多くの触媒反応の機構が実験的に明らかとなり,化学における波及効果は非常に大きい。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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