秒の再定義への貢献を目指したYb/Sr光格子時計の周波数比計測に関する研究
Project/Area Number |
19J10824
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13020:Semiconductors, optical properties of condensed matter and atomic physics-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
久井 裕介 横浜国立大学, 理工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 光格子時計 / 秒の再定義 / 時計遷移周波数比 / 原子時計 |
Outline of Research at the Start |
光格子時計は、現在の「秒」の定義であるセシウム原子時計に代わる秒の再定義の候補の1つである。光格子時計によって秒の再定義を行うには、光格子時計の不確かさの低減だけでなく、光格子時計の周波数が各研究機関で一致すること、確実に国際原子時に寄与できるように光格子時計が安定に長期運転できることが必須となる。光格子時計の不確かさ評価をセシウム原子時計以下のレベルで行うためには、光格子時計同士の比較を行う必要がある。本研究では、Yb光格子時計とSr光格子時計の周波数比を測定し、さらに秒の新しい定義としての役割を全うできるように、Sr光格子時計の安定な運転を可能にすることを目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に産業技術総合研究所(産総研)におけるYb光格子時計とSr光格子時計の比較、すなわちYb/Sr時計遷移周波数比の測定を行った。まず、前年度に行ったSr光格子時計の系統不確かさ低減の結果を受けて、不確かさの再評価を行ったところ1.1×10^-16となった。この値は以前に産総研のグループが報告した値の1/3以下であり、典型的な原子泉型Cs原子時計よりも小さな値である。次に、このSr光格子時計と、産総研のYb光格子時計の間の周波数比を6日間(計約70000秒)にわたって測定した。周波数比計測の統計不確かさは5.1×10^-17となった。一方、Sr・Yb光格子時計のトータルの系統不確かさは4.1×10^-16であり、系統不確かさによって制限される測定となった。この結果は、前回の報告では統計不確かさで制限されていたことを考えると、我々のグループとしては大きな進歩となった。その要因は、前年度に行ったSr光格子時計の長期運転に向けた堅牢化が功を奏したものといえる。以上の結果はメトロロジーの分野において権威と伝統ある雑誌であるMetrologiaにて発表した。さらに、本論文を根拠に、consultative committee for time and frequency (CCTF)と呼ばれる、秒の再定義に向けた議論を行う会議にて我々の周波数比の値を報告し、光格子時計による秒の再定義への動きに貢献した。 上記の論文を発表した後も、Yb/Sr時計遷移周波数比の値の再現性を確認するために2020年12月~2021年1月にわたって10回程度実験を行った。この実験の中で、さらなる周波数安定度の向上と不確かさの低減を行った。また、周波数比計測の実験における周波数安定度について、新たな知見が得られた。実験の詳細については発表に向けて共同研究者と調整中である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)