Project/Area Number |
19J11173
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 陽太 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ボロン酸 / グルコース / センサー / 分子認識 / 糖 / メカニズム / 酸性度 / 比色 / 化学センサー / 糖類 / アゾ化合物 / 反応機構 |
Outline of Research at the Start |
近年の食生活の変化から糖尿病は世界の生活習慣病の一つとして扱われ始めてきた。このことから、簡便な血糖値診断システムの開発を指向した、ボロン酸型D-グルコース比色定量試薬の開発が注目されている。しかし、これまでの定量試薬の開発では発色団の分子設計のみに主眼が置かれ、その反応自身に関する基礎的な研究はこれまで疎かにされてきた。そこで本研究では、従来の設計指針とは一線を画し、ボロン酸の糖との反応に関する溶液内反応論的研究に基づいたボロン酸型 D-グルコース比色定量試薬の開発を行う。この定量試薬はD-グルコースに対する反応性・選択性が共に高く、かつ反応による明瞭な色調変化が観測されることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
近代の食生活の変化から、糖尿病の診断のための簡便なD-グルコース濃度の測定システムの開発が急務である。本研究では、ボロン酸と糖類の反応に関する反応論的基礎研究に基づいて設計した、糖類との反応が効率よく進行するピリジニウムボロン酸(PyB)部位と、糖類との反応によって劇的に色調が変化するオルトアゾフェニルボロン酸(azoB)部位を構造内に持つジボロン酸型比色D-グルコース定量試薬の開発を行った。 本年度は主にジボロン酸の合成とその評価を行った。 弱塩基性の水/メタノール混合溶媒中で、合成したジボロン酸はmMオーダーのD-グルコース、D-ガラクトースと反応し、溶液の色調が紫色からピンク色へと変化した。種々の分光光度法による測定から、D-グルコースとD-ガラクトースはジボロン酸構造内の二つのボロン酸部位との結合を介して、1:1錯体を形成することが確認された。つまり、構造内のPyB部位によって捕捉された糖類が、azoB部位へ閉環的に配位し、azoB部位のホウ素中心の構造が変化することで溶液の色調変化が生み出されることが示された。 pHが一定の条件下で、種々のリンカー構造を持つ一連のジボロン酸と糖類の反応の条件生成定数K’を測定した。その結果、リンカーの炭素数が減少するに従いD-グルコースとの反応のK’が増大し、一方で炭素数が多くなるに従いD-ガラクトースとの反応のK’が増大した。また、リンカーの構造の剛直性が高いとき、D-グルコースとD-ガラクトースを検出する感度が高くなることが分かった。つまり、リンカーの構造の選択によって、各糖類への選択性の制御が可能である。 上記の成果に加え、本研究から得られた知見に基づき、azoBによる溶媒分子やアニオンの検出能も併せて評価した。これらの特性は生体内における分子やイオンの挙動を研究するにあたって有用であると期待される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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