セルロース系液晶フィルムが発現する圧力誘起円二色性反転の機構解明および応用展開
Project/Area Number |
19J11351
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮城 一真 岐阜大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | セルロース誘導体 / コレステリック液晶 / グルコース応答性 / メカノクロミズム / コンポジット / 円二色性 / 光学機能材料 / 圧力センシング / 高分子 |
Outline of Research at the Start |
石油資源の枯渇が深刻な問題となり得る現代において,自然由来の分子を活用した機能材料の創製は極めて重大な意義がある。セルロース誘導体は,世界で最も豊富な天然高分子であるセルロースに簡単な化学修飾を施して得られる分子であり,コレステリック液晶という特徴的な構造を発現する。セルロース誘導体のコレステリック液晶構造を組み込んだフィルムは,3D眼鏡で観察すると片方のレンズでのみ色を示す。申請者はこれまでの研究で,このフィルムに力を加えると元と逆側のレンズで色が見えるようになることを発見した。本研究では,この現象の分子メカニズムの解明および力学的ダメージ可視化材料への応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,セルロース誘導体の形成するコレステリック液晶(ChLC)が円偏光選択反射によって呈色する点に着目し,グルコース濃度に応じて色が変わる材料の作製を試みた。具体的には,グルコース応答性を有することでよく知られるフェニルボロン酸(PBA)を液晶性セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の側鎖に導入した分子(PBA-HPC)を合成し,液晶性およびグルコース応答性を評価した。PBA-HPCは,4-カルボキシフェニルボロン酸(CPBA)とHPCをカルボジイミドカップリングでエステル結合させることにより合成した。CPBAの仕込み量を変えることで,HPC側鎖に導入されたPBAの量(DSPBA)を制御することが可能であった。種々のDSPBAのPBA-HPCを60-70 wt%で水に溶解し,ChLC形成能を評価した結果,DSPBAが高いほどChLC形成能は低くなることが明らかになった。また,DSPBAが一定以上になると,PBA側鎖の芳香環に由来して疎水性が高くなるため,水に溶けなくなることも分かった。未修飾のHPCおよびPBA-HPCのChLC水溶液を調製し,これらにグルコースを添加した際の色調変化の挙動を調査した。その結果,いずれの系においても,グルコース濃度の増加によって溶液の色がブルーシフトし,グルコース応答性を示すことが明らかになった。さらに,PBA-HPCのChLC溶液は,未修飾のHPCに比べて,グルコース濃度の増加によるブルーシフトの程度が大きかったことから,より高い応答性を示すことがわかった。これらの結果から,セルロース誘導体のChLCを用いたグルコースセンシングを実現することができた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)