Project/Area Number |
19J11375
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白井 孝信 北海道大学, 大学院総合化学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 発がん超初期段階 / Ras / 細胞競合 / 肺上皮 / 微小環境 / Partial EMT / マクロファージ / 細胞競合マウスモデル |
Outline of Research at the Start |
組織に遺伝子変異が誘導されたばかりの発がん超初期段階において、変異細胞が周囲の正常細胞によって体外へ排除されることが明らかになってきた。一方、マウスの複数の組織にRas変異を誘導すると膵臓や腸管では腫瘍が形成されにくいが、肺で腫瘍が形成されることが報告されている。本研究では、肺に腫瘍化を促進する特有の要因があると仮説を立て、Ras変異細胞の挙動を解明することで肺特異的な腫瘍化の要因の特定を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発がん超初期段階においてRasV12発現細胞 (以下、Ras変異細胞) が肺で腫瘍化しやすい内的な要因の解明を目指す。これまでに、肺上皮にRas変異細胞を誘導すると、誘導から数日の間に体外の方向へ排除される一方で、上皮層に残存した一部のRas変異細胞が体内の方向へ逸脱し、異常な構造を形成することを明らかにしてきた。この構造では、周囲の上皮層が盛り上がっており、また活性化線維芽細胞や免疫細胞が集積していた。ドーム様構造と名付けた微小環境がRas変異細胞の腫瘍化に寄与している可能性を検討するため、本年度ではドーム様構造の形成メカニズムの解明を目指した。 ドーム様構造の形成に関与する遺伝子発現を検討するため、共同研究によりシングルセルRNA-seqを実施した。誘導から一カ月後のYFP細胞とRas変異細胞を肺組織より単離し、シークエンシング、遺伝子発現を解析した。これまでにドーム様構造のRas変異細胞で発現変動することが分かっていたE-cadherinとCox-2を指標に、解析により得られた複数のクラスターの中からドーム様構造由来のRas変異細胞と予想されるクラスターを特定した。さらに、特定したクラスターで特異的に発現している遺伝子を複数同定することに成功した。同定した遺伝子の中に、マクロファージを誘引することが知られている液性因子が含まれており、実際にドーム様構造を形成するRas変異細胞で高頻度に発現していた。以上より、ドーム様構造のRas変異細胞に特異的に発現している遺伝子を同定した。この他にも、ドーム様構造には主にマクロファージが集積していること、ドーム様構造のRas変異細胞はpartial EMTを起こしている可能性を明らかにした。 現在は、マクロファージや同定した遺伝子がドーム様構造に与える影響と、ドーム様構造の長期観察、さらにヒト病理切片での解析を進めている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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