Project/Area Number |
19J11523
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
首藤 雄大 熊本大学, 自然科学教育部理学専攻, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 酸化グラフェン / 水酸化ニッケル / 磁性 / ナノシート |
Outline of Research at the Start |
二次元材料はシート表面の電荷による静電的相互作用を利用することで層間に種々のイオンや機能性分子を導入した複合物質を容易に再構築できる。このようにして得られる層状物質は、シート本来の機能に加えて、層間分子の機能を取り込んだ多機能性ナノ材料や、層間分子によるシートの機能の制御など優れた利点を持つ。しかし従来のインターカレーション反応ではアルカリ金属やアルキル長鎖分子で層状体を形成している。そこで本申請では異なるナノシートを利用することで、シート由来の複数の物性を示し、界面で強い相互作用を有する新たな多機能性層状物質の合成を試みる。また界面の結合・電子状態を明らかにし、新規物性の発現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
様々な機能性を示すナノシートはそれぞれ複合化させることで、多機能性ハイブリッド材料を開発することができる。本研究課題では導電性を示す還元酸化グラフェンと強磁性体である水酸化ニッケルナノシートを複合化させることでハイブリッド体による磁気抵抗効果の観測を目指した。 酸化グラフェンと水酸化ニッケルナノシートを液中で複合化し、ろ過することでハイブリッド膜を得ることができた。その後酸化グラフェンを選択的に熱還元することで還元酸化グラフェンと水酸化ニッケルのハイブリッド膜を得た。 還元後のハイブリッド膜の強磁性転移温度を測定すると還元前に比べて転移温度が下がっていた。これは水酸化ニッケルが還元酸化グラフェンの層内に生じる圧力を受けることで水酸化ニッケルの層間距離が小さくなったためである。水酸化ニッケルはシート内にて強磁性相互作用を示すが、シート間では反強磁性相互作用を示す。そのため、層間の反強磁性相互作用が強まったことで水酸化ニッケルの強磁性転移温度が下がったことが示唆された。また、この還元酸化グラフェンの層内圧力は還元温度に依存しており、高い還元温度では還元が進むことで還元酸化グラフェンの層内圧力が大きくなる。この結果から酸化グラフェンの層内には異方性の圧力が生じていることが明らかとなった。次に磁気抵抗効果の測定を行ったが、抵抗値の変化を期待したほど充分な変化が得られなかった。しかし、酸化グラフェンの異方性圧力効果を新たに見出すことができ、今後ナノ材料への応用が期待できる。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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