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沖縄近現代文学をめぐる人の移動

Research Project

Project/Area Number 19J11654
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeSingle-year Grants
Section国内
Review Section Basic Section 02010:Japanese literature-related
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

佐久本 佳奈  一橋大学, 大学院言語社会研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2019-04-25 – 2021-03-31
Project Status Completed (Fiscal Year 2020)
Budget Amount *help
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Keywordsパンパン / オンリー / 戦後文学 / ハンセン病文学 / 移動 / 大城立裕 / 広池秋子 / 沖縄 / 日本文学 / 沖縄文学 / 占領 / 検閲 / 新聞小説 / 法と文学 / ジェンダー / 移民
Outline of Research at the Start

本研究は、近代以降の沖縄をめぐる人の移動を描いた文学作品の読解を通じて、社会学や歴史学研究を参照しつつも数値化され得ない個人の生に焦点を当てることを目的とする。その際、移動を個人の主体的な空間の横断行為として単線的に完結させることなく、人を移動させる政治や経済、欲望の動きを作品から読み取り、あるいは労働力をめぐる世界市場の過酷な動きに巻き込まれた人々の生を捉えることを探求する。同時に、移動の経験の中に存在する人種やジェンダーや階級による差異を描き出す。この試みは沖縄文学を、帝国日本から米軍覇権下の冷戦構造への変化において、沖縄以外の領土や歴史との重なり合いの中で考察する射程を持つものである。

Outline of Annual Research Achievements

前年度に引き続き、沖縄県立図書館、沖縄県公文書館において移民に関する史資料や文学作品の収集を継続した。
2020年10月に行われた東アジアと同時代日本語文学フォーラムでは、大城立裕「白い季節」と広池秋子「オンリー達」の比較を通じて、米軍占領下の公衆衛生対策が小説における空間編成といかに関わるかを考察した。立川のオンリーの貸間を舞台とした「オンリー達」は、「白い季節」が女性の身体を管理するコザ保健所の視点から描かれるのに対し、そうした法網から逃れる女性たちを描く。二作の比較は、基地の街の女性たちの表象を、沖縄/日本本土、男性作家/女性作家という比較軸とは異なり、女性の性の管理をめぐる対照的な視点からの分析を可能とする。報告では、新聞小説「白い季節」における詳細な特飲街の記述が、犯罪の温床として都市と女性身体を類似的に描写する現地医師の視線に重なることに加え、医師と米軍の売春女性を介した結託のみならず女性の管理において医師が米軍の法からの超越をも図る可能性を提示した。また「オンリー達」における「貸間」の表象が、女性の性労働を覆い隠しつつ金銭を生産する空間であると同時に、売春女性が法網を逃れ共生する場所として表れることを明らかにした。そして複数の売春女性の中で最も下層に位置する女性が、朝鮮戦争の軍事空間を捉えていることを指摘した。
2021年2月に行われた琉球大学島嶼地域科学研究所主催学会ではハンセン病療養所愛楽園の機関誌に掲載された小説作品を複数取り上げ、愛楽園の空襲被害における療養所という閉鎖空間の表象や、小説を介した沖縄の女性運動との呼応の可能性について論じた。こうした国家の領土性に必ずしも規定されない占領空間として米軍基地の街や女性身体やハンセン病療養所に着目し、ナショナルアレゴリーに回収されない占領表象の分析を行った点で、本研究は従来の沖縄文学研究を進展させた。

Research Progress Status

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

Report

(2 results)
  • 2020 Annual Research Report
  • 2019 Annual Research Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020 2019

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] ハンセン病文学における沖縄戦と米軍占領の記憶2021

    • Author(s)
      佐久本佳奈
    • Organizer
      島嶼研究の未来へ向けて:架橋する国際的若手研究2021
    • Related Report
      2020 Annual Research Report
  • [Presentation] 米軍占領下歓楽街の地図と部屋――大城立裕「白い季節」と広池秋子「オンリー達」2020

    • Author(s)
      佐久本佳奈
    • Organizer
      東アジアと同時代日本語文学フォーラム
    • Related Report
      2020 Annual Research Report
  • [Presentation] 1950年代沖縄の新聞小説と女性をめぐる法2019

    • Author(s)
      佐久本佳奈
    • Organizer
      日本近代文学会・昭和文学会・日本社会文学会合同国際研究集会
    • Related Report
      2019 Annual Research Report
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-05-29   Modified: 2024-03-26  

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