放射光X線を用いた分子性結晶の高圧下構造解析手法の確立とフロンティア軌道の観測
Project/Area Number |
19J11697
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鬼頭 俊介 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | X線回折 / 電子密度 / 分子性結晶 / 分子軌道 / 原子軌道 / 電荷秩序 |
Outline of Research at the Start |
強相関電子系では物質中の温度や圧力を変化させることで、その電子相関を容易に制御でき、超伝導や量子スピン液体、ディラック電子系などのエキゾチックな電子状態が出現する。これらの物性を理解する上で、常に多角的な実験が行われているが、圧力下の実験は装置的な制約が多く、特に物性物理学の発展に不可欠な圧力下単結晶X線回折構造解析手法は確立されていない。 本研究では、高圧極低温下におけるX線回折実験・構造解析手法を確立し、多重極限下における物質の結晶構造や電子状態に迫る。本研究は、大型放射光施設SPring-8にて、ビームライン担当者の協力のもと行い、最終的には圧力下単結晶回折実験の標準化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では有機系・無機系物質を対象として、放射光X線を用いた常圧・高圧下の精密構造解析及び電子密度解析を行った。申請者が新たに提案しているコア差フーリエ合成(CDFS)法を用いた新規電子密度解析手法[S. Kitou et al., Phys. Rev. Lett. 199, 065701 (2017)]を用いることで、様々な物質中の電子軌道状態の解明を行った。さらに、複数単結晶試料を用いた高圧下X線回折実験を行うことで、高圧下単結晶構造解析手法の確立を試みた。常圧下及び高圧下のX線回折実験はそれぞれ大型放射光施設SPring-8のBL02B1及びBL10XUビームラインで行った。 ペロブスカイト型酸化物YTiO3における3d1軌道に対応した蝶々型の価電子密度分布の観測に成功した[S. Kitou et al., Phys. Rev. Research 2, 033503 (2020)]。また、原子サイト上に局在する原子軌道とは対照的に、分子上に空間的に広がった分子軌道の直接観測を行った。比較的単純な結晶構造を有するダイヤモンド、C60フラーレン、(MV)I2、(TMTTF)2Xにおける結合電子の定量的な評価に成功しただけでなく[S. Kitou et al., Crystals 10, 998 (2020)]、近年、バルクディラック電子系として注目を集めるα-(BEDT-TTF)2I3とα-(BETS)2I3のS/Se置換効果を電子密度レベルで観測した[S. Kitou et al., Phys. Rev. B 103, 035135 (2021)]。 二次元層状物質VSe2の複数単結晶を用いた高圧下X線回折実験を行った。その結果、超伝導を示す5GPa以上で相転移に伴う超格子反射の出現とピークの分裂が確認された。今後はこれらのデータを用いて結晶構造の解明を目指す。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)
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[Presentation] Direct determination of Ti-3d1 orbital state in YTiO3 using synchrotron X-ray diffraction2020
Author(s)
Shunsuke Kitou, Taishun Manjo, Naoyuki Katayama, Tatsuya Shishidou, Taka-hisa Arima, Yasujiro Taguchi, Yoshinori Tokura, Toshikazu Nakamura, Toshihiko Yokoyama, Kunihisa Sugimoto, and Hiroshi Sawa
Organizer
APS March Meeting 2021
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