ケイ素六員環骨格を活用したヘキサシラベンゼンの合成
Project/Area Number |
19J11759
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾松 大和 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ヘキサシラベンゼン / 環状オリゴシラン / 官能基変換 / ジシラン / ケイ素クラスター / ヘキサシラシクロヘキサン |
Outline of Research at the Start |
近年、有機ケイ素化学は急速に発展してきており、従来、合成が困難とされてきた含ケイ素多重結合化合物が室温で安定な化合物として単離され、その構造や性質が明らかになりつつある。しかしながら、ケイ素のπ結合に関する物性や機能の多くは未解明のままである。それらを明らかにする上で、環状π共役化合物の基本骨格であるベンゼンの完全ケイ素置換体であるヘキサシラベンゼンは重要な化合物であるものの、その合成・単離は未だ達成されていない。本研究ではヘキサシラベンゼンを合成・単離するとともに、その構造・性質の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
環状π共役化合物(芳香族化合物)の基本ユニットであるベンゼンの完全ケイ素置換体「ヘキサシラベンゼン」は未踏のπ共役化合物として新規物性の発現が期待できる。しかし、従来の合成アプローチは環形成・多重結合形成を同時に行う手法であり、小員環や多環式異性体形成にとどまり、単環のケイ素6員環骨格形成そのものが達成できていなかった。そこで我々は、環状骨格形成と多重結合形成を段階的に行うことによって上述の問題を解決できると考え、ヘキサシラベンゼンの合成・単離およびその構造・性質の解明を目的として本研究に取り組んだ。 本年度、筆者らは、ケイ素上に立体保護基と変換可能な置換基を有する環状ペンタシランの官能基変換反応に取り組み、完全立体選択的な変換反応を見出した。この成果はEuropean Journal of Inorganic Chemistryに掲載されるに至った。 また、大きさの異なる二つの立体保護基を有するケイ素二核ユニットであるブロモジシラン類を用いた環状骨格前駆体の合成にも取り組んだ。合成したジシラン類の一つであるペンタブロモジシランの還元的脱ハロゲン化反応によって、非常に興味深い三次元的なπ電子の非局在化を伴った新奇な結合状態を有する不飽和アニオン性全ケイ素クラスターの合成や、ヘキサシラベンゼンの原子価異性体の一つであるヘキサシラビシクロプロペニルの合成を達成した。合成したこれらの化合物はいずれも6つのケイ素原子からなるクラスターであり、ヘキサシラベンゼン合成を達成する上での重要な知見である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)