Project/Area Number |
19J12509
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小川 拓郎 九州大学, 人間環境学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | レーザースキャニング / 古代ローマ建築 / 交差ヴォールト / RANSAC / オスティア / ポンペイ / ヘルクラネウム / レーザースキャンニング / 円筒ヴォールト |
Outline of Research at the Start |
オスティア遺跡には古代ローマ帝政期の庶民層の建造物が多く見受けられる。これらの建造物はローマンコンクリートと焼レンガによって造られ、手仕事による僅かなズレや歪みが見受けられる。本研究はオスティア遺跡公園で行われているレーザー実測調査より得られる3Dデータに基づいて図面を作成し、これまでの研究では実測の誤差と区別することが難しかった建造物の僅かなズレや歪みを分析に用いることで、古代ローマ建造物の建造過程の一端を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ローマンコンクリートで建造された古代ローマ建造物や石材などの歪み、あるいは辻褄合わせといったモノの形の僅かな変化をレーザー実測の結果から検出し、それを基に建物の建造過程や計量用の石材の窪みの掘削過程などの一端を明らかにした。2020年4月から2021年9月までコロナ渦で現地調査に赴けず、研究計画の変更を余儀なくされ、既に実測した2019年度のデータを含めた所属研究室所有の3次元実測データを基に分析し、研究成果を雑誌論文や国際学会などで発表した。
オスティア遺跡の交差ヴォールトに関する成果では、円筒ヴォールトを交差した形であるという、従来の交差ヴォールトの建造過程では想定できない痕跡を交差ヴォールトの稜線に見出し、その建造過程の一端を明らかにした。計量升に関する成果では、オスティアに現存する計量升の窪みの形に半球と半球からの逸脱が混在していることを明らかにし、半球を掘った後、部分的に掘り進めることで現在確認される窪みの形となることを指摘した。窪みの半球をあえて崩す操作として、容積の微調整が想定される。また、ポンペイの計量升の容量計測の事例を参考にして、計量升と直接の関係性は不明だが、ヘルクラネウム出土の鉛製の桶や青銅製の個人用浴槽の容量を計測した。木製格子窓に関する成果では、ヘルクラネウムのモザイク・アトリウムの家において、各格子の内側に溝が存在することを新たに指摘し、木製格子に板ガラスを嵌めたとする既往研究の学説を補完した。ただし、遺構の状況から判断し、窓枠が軒先と控え壁にはめ込まれた可能性は低いことを新たに指摘した。エジプトのニュー・メニア採石場址に関する成果では、石灰岩の切り出しの初期の段階で、自然亀裂を手掛かりとして石材切り出しの区画を決定している可能性を明らかにした。以上の成果は、いずれもレーザー実測の結果から得られた、モノそのものの形から得られた知見である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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