フランの脱水型分子内不斉アリル化を基軸とする生理活性天然有機化合物の合成研究
Project/Area Number |
19J12562
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩瀬 翔太郎 名古屋大学, 創薬科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脱水型不斉アリル化反応 / ハロゲン結合 / DielsーAlder反応 |
Outline of Research at the Start |
フラン化合物は様々な置換基に変換することが可能である。このため天然物の合成中間体に利用され、その中でも光学活性なフラン縮環二環式化合物は有用な前駆体として注目される。その効率的かつ網羅的な不斉全合成手法の確立には、いかにしてフラン環を含む不斉骨格を供給するかが鍵となる。そこで、ルテニウム触媒を用いたフラン類の脱水型分子内アリル化反応の開発および天然有機化合物合成への応用を目標とした。こちらの反応は化学両論的な活性化を必要とせず副生成物と水のみであるため環境負荷の少ないクリーンな反応であり、今後の展開が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
所属研究室で開発されたルテニウム/ブレンステッド酸混合触媒系は、塩基性条件下アリルドナーとしてアリルエステルやアリルハライドを用いる従来の「脱塩型」の反応とは異なり、アリルアルコールを求電子部位として用いた脱水的な不斉アリル化反応を実現できる。触媒反応成績体が化学変換特性に富むアルケニル基を有するため、引き続く多段階合成への展開が容易であることに加え、原子効率やEファクターの観点からもその有用性が高いといえる。従来の塩基性条件下機能する脱塩型変換にパラダイムシフトをもたらした触媒系として注目される。申請者は、本触媒系の深化を目的に、芳香族複素環基質への適用と、確立した触媒法を基盤とする有用物質の触媒的不斉合成への展開をめざした。その結果、ピロール、フランに代表される芳香族複素環基質に有効性を見出した。本触媒系に関するこれまでの提唱反応機構では、ブレンステッド塩基としてルテニウムカルボキシラトが求核部位と水素結合を形成することが反応性とエナンチオ選択性獲得に重要であると考えられていた。そのためピロールのような非プロトン性求核剤ではエナンチオ選択性発現根拠が説明できない。そこで、重水素標識実験と配位子のハロゲン効果を検証した結果、ハロゲン結合形成による基質触媒複合体構造の安定化を含む、σアリル錯体中間体を経由する新たな反応機構を提示することができた。求核剤の活性プロトンの有無に関わらない統一的な反応機構の提示を行うことができた。さらに、申請者は触媒反応成績体である三環性アリルフランに対する分子間Diels―Alder反応が触媒反応で制御したアリル基の立体反発を受け立体選択的に進行することを見出した。引き続くLewis酸を用いる酸素架橋環の位置及び立体選択的な開環反応の実現によって、オピオイドの代表分子であるモルヒネの主骨格を形成できることを明らかにした。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)