Project/Area Number |
19J12602
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
Mishchenko Petr 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | マヨラナ粒子 / キタエフ模型 / 量子スピン模型 / 量子スピン液体 / ハニカム格子 / 量子モンテカルロ法 / チェビショフ多項式 / レフシェッツシンブル |
Outline of Research at the Start |
1928年にポール・ディラックは、正電子と呼ばれる正の電荷を持つ電子を理論的に提案し、後にそれが実験的に発見された。ここで、電子と正電子は粒子と反粒子の関係にあり、一般的には等価でない。逆に、1937年にエットーレ・マヨラナは、粒子と反粒子が等価な粒子を理論的に提案した。近年、マヨラナ粒子は物性物理学の分野で注目を集めている。その中でも特に磁性体中のマヨラナ粒子が熱心に研究されている。我々は磁性体中に現れるマヨラナ粒子の性質を大規模な数値シミュレーションを用いて研究する。また、マヨラナ粒子を応用することで量子コンピュータと呼ばれる次世代のコンピューターを実現させる方法を探索する研究を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、量子磁性体を記述するキタエフ模型の提案をきっかけに、素励起としてのマヨラナ粒子の振る舞いに起因した量子現象の探索が注目を集めている。本研究の目的は、マヨラナ粒子に特有な新規量子現象の探索である。 まず、格子構造に起因した相転移現象を考えるために3次元格子上の純粋なキタエフ模型、つまりマヨラナ粒子間の相互作用が現れない系を扱った。ここではグリーン関数を用いたチェビシェフ多項式展開法で改良したマヨラナフェルミオン表示量子モンテカルロ法を用いた。最初は、ゲージ自由度間のフラストレーションが生じる格子の解析を行った。ここでは、フラストレーションによりゲージ自由度の秩序は抑制されるが、極低温ではゲージ自由度とマヨラナ粒子の相互作用によりゲージ自由度の秩序が現れることを示した。次は、時間反転対称性が自発的に破れる格子の解析を行った。ここでは、キタエフ相互作用が異方的な場合を扱った先行研究とは異なる新たなカイラルスピン液体への一次相転移を見出した。この相転移では時間反転対称性とゲージ自由度の空間的な配置による格子対称性の両方が同時に破れる。さらに、変分計算を用いてゲージ自由度の配置が非一様な五つの異なるカイラルスピン液体が安定する基底状態相図を明らかにした。 次は、実験との対応を考えるために2次元ハニカム格子上のキタエフ模型に外部磁場を加えた模型、つまりマヨラナ粒子間の相互作用が現れる系を扱った。この系が示す負符号問題を緩和するために漸近的なレフシェッツシンブル上の補助場量子モンテカルロ法を開発した。具体的には、量子スピン系をフェルミオン系に変換する方法と補助場量子モンテカルロ法を組み合わせて、補助場の積分経路をレフシェッツシンブルと呼ばれる複素空間内の積分経路に変換する。この方法を用いて、外部磁場を加えたキタエフ模型では確かに負符号問題が緩和することを示した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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