鉄触媒を用いた不活性炭素-水素結合切断を経る官能基化反応の開発
Project/Area Number |
19J12813
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 直貴 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 鉄触媒 / 炭素-水素結合切断 / 芳香族ケトン |
Outline of Research at the Start |
これまでの研究で、単離可能な低原子価鉄錯体を触媒とすることで、芳香族ケトンのオルト位炭素-水素結合のオレフィンへの付加反応を開発している。しかしながら本鉄触媒系で導入できる官能基はアルキル基に限られており、多様な官能基導入に至っていない。そこで本研究では、鉄触媒を用いた芳香族ケトンのオルト位炭素-水素結合の(1)不飽和結合への付加反応と、(2)1,4-転位を経るアリール化反応の開発を達成することで多様な官能基化を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
まず研究内容(1)として、鉄触媒による芳香族ケトンのオルト位炭素-水素結合のホモアリル化反応の開発に取り組んだ。炭素-水素結合のホモアリル化は主に、ホモアリルハライドやシクロプロピルメチルハライドのようなハロゲン化アルキルを用いて達成されているが、ハロゲン由来の廃棄物が生じ、導入できるホモアリル基の種類は限られる。そこで、メチレンシクロプロパン(MCP)をカップリングパートナーとすることで、高い原子効率、多様なホモアリル基の導入が可能になると考え、本研究に着手した。今年度はまず、利用できる芳香族ケトンの拡大を行った。具体的には、MCPの置換基の検討および反応条件の最適化を行うことで、多様なアルキルアリールケトンの利用が可能になった。さらに、反応機構に関する研究として、速度論的同位体効果(KIE)を測定することで反応の律速段階についての情報を得た。 次に研究内容(2)として、鉄触媒による芳香族ケトンのオルト位炭素-水素結合のアルキル化反応における重水素標識実験に取り組んだ。2017年に報告したアルキル化反応では、トリエチルビニルシランを用いて重水素化された芳香族ケトンとの反応を行い、トリエチルビニルシランの挿入が1,2-挿入でのみ起こると示唆する結果を得ていた。今回、アルキル化反応のさらなる機構解明のために、用いるオレフィンにより重水素標識実験の結果が変化するかを検証した。具体的に、スチレン類、1-ヘキセン、n-ブチルビニルエーテルをそれぞれ重水素化された芳香族ケトンと反応させた所、これらのオレフィンでは、挿入が1,2-挿入のみならず2,1-挿入でも起こっていると示唆する結果を得た。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)