炭素二重結合を起点とする不活性炭素-炭素結合の直接的分子変換法の開発
Project/Area Number |
19J13174
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小野寺 俊亮 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 炭素ー炭素結合切断 / ロジウム触媒 / スチレン / アルケニル化 / β-アシルアルキル化 / ピラゾール / β-炭素脱離 / アルケン |
Outline of Research at the Start |
炭素-炭素結合はほぼ例外なく有機化合物に含まれる結合であり、その骨格を形成する最も基本的な結合である。したがって、炭素-炭素結合の切断と構築を制御することができれば分子骨格の自在な変換が可能となる。しかし通常、歪みの無い炭素-炭素結合は強固な結合であり、その結合を切断することは困難である。そこで我々は遷移金属触媒を用いることで通常不活性な炭素-炭素結合を切断し、その位置で新たな炭素-炭素結合を構築するという形式の反応に焦点を当てた。特に、二重結合を有する炭化水素基を着脱可能な、あたかも官能基として利用する新規分子変換法の開発を行っている。
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Outline of Annual Research Achievements |
ロジウム触媒を用いた不活性炭素-炭素結合切断を経る分子変換反応に関して、スチレン誘導体のアルケニル基を様々な炭素基へと変換する触媒反応の開発を行った。まず、1-ピラゾリル配向基を有する2-プロペニルベンゼン誘導体を基質に用いてスチレンとの反応を、3価のカチオン性Cp*Rh触媒存在下、エタノール溶媒中還流条件で行ったところ、炭素-炭素結合の切断を伴い、2-プロペニル基がβ-スチリル基へと置換された生成物が高収率で得られた。また、配向基のオルト位に反応可能な水素原子が存在する基質を用いても、本触媒系では高選択的に炭素ー炭素結合の切断/官能基化が進行した。2-プロペニル基以外のアルケニル基を有するスチレン誘導体についても検討を行ったところ、1-プロペニル基、β-スチリル基の直接的な変換が可能であることがわかった。さらにα-スチリル基を有する1,1-ジフェニルエチレン誘導体を用いた場合、アルケン上でアリール基の1,2-転位反応が進行することを見出した。 続いて、スチレン類以外のアルケン類をカップリング剤として検討を行った。脂肪族アルケン類を用いた場合も基質は完全に消失し、炭素基の交換反応が進行したが、生成物は二重結合の位置異性体混合物となったため、PtO2触媒を用いた水素化を行うことで、単一のアルキル化体を良好な収率で単離した。また、アリルアルコール類をカップリング剤として反応を行うと、アルケニル基がβ-アシルアルキル基へと置換され、極性官能基を有する炭素基の導入も可能であった。 反応機構に関する知見を得るため、1,1-ジフェニルエチレン誘導体と重水素化されたスチレンとの反応を行ったところ、切断されたスチリル基のα位にスチレン-d8からの重水素の移動が見られた。この結果は、本反応の炭素ー炭素結合切断がアルケン部位のヒドロメタル化に続くβ-炭素脱離を経て進行していることを示唆している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)