Project/Area Number |
19J13854
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三上 温湯 東京都立大学, 大学院人文科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2019: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ダメット意味理論 / 直観主義 / ポストカント / 構成 / 情報の哲学 / 代数意味論 / 行為論 / 意味の理論 / Michael Dummett / 構成主義 / 言語哲学 / 論理学の哲学 / 直観主義論理 / 幾何学的論理 / 行為の哲学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、マイケル・ダメットが、彼の「意味の理論」のプログラムで探求した、実践的能力としての意味理解・概念把握を、行為の哲学の近年の展開との結びつきのもとで捉え直し、未だプログラムのままであるこの理論の具体化・拡張に取り組むものである。その際とりわけ、情報の哲学を参考に、行為を介して意味理解がどのように顕現しうるかというダメット意味理論の中心的な難問について、情報フローの論理分析等において著しく進展している情報科学べースの論理を発展させ、適用することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までは、主に、厳格な構成を意味理解の条件とするダメットの理論を、主に論理学やそれに関わる情報科学の現代の研究を参考にリベラライズする方途を追求した。ところでこの「構成」の概念は、ブラウワー由来するものであり、その基底にあるアイデアは、もとをたどればカントによって認識論に位置付けられたものである。本年度はカントの認識論に焦点を当て、ダメット意味理論の基盤をなす「構成」の概念の哲学的・歴史的背景の解明を行った。 まず、カント、フレーゲ、ウィトゲンシュタインの、概念についての見方の共通性と相違を整理し、比較の素地を確立した。重点の置き方が異なりはするものの、三者とも、数え上げや命題の証明を通じた、抽象的対象の操作・構成に目を向けていることが明確になった。この点について、科学基礎論学会のワークショップで提題を行った。 さらに、操作・構成を見出すことによって、抽象的対象がそうした操作の相関者、構成される対象であり、経験的対象を代理する普遍性を持った対象として遇されているという洞察が得られた。このアイデアが、カントの図式論における概念の時間化の基本的モティーフとなっているという見通しを示し、カントが「時間性」「純粋直観」という用語で問題にした事柄を、カント哲学に限らず、より一般的な問題としてとらえられる解釈を与え、これを研究会で発表した。 以上の成果から、言語の統語論的構造から、操作可能性を通じてモデルの萌芽となる抽象的構造が創出される筋道が、カントの哲学に萌芽的に見て取れることが明らかになってきた。この点は、定性的情報理論における命題観や、近年急速に整理が進んでいる代数意味論の関心事に重なるものであり、カント以来の哲学から、現代の論理・情報の哲学への系譜が明らかになりつつある。今後、こうした系譜に位置付けられるものとして、今後ダメット意味理論に立ち返り、再解釈を与える見通しである。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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