Project/Area Number |
19J14594
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸田 莉奈 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | FGF-7 / 多角体 / 遺伝子組換えカイコ / セリシン / 表皮モデル / ケラチノサイト / 皮膚モデル / 線維芽細胞 / FGF-2 |
Outline of Research at the Start |
化粧品開発における動物実験は、動物愛護の観点や膨大な維持費がかかるという理由から、その代替となる皮膚モデルの開発が渇望されている。しかし、モデルの作製において再現性に問題がある。昆虫ウイルスのタンパク質微結晶である多角体は、内部にタンパク質を内包化し保護するだけでなく、少しずつ放出する性質をもつ。本研究では、上皮層と真皮層それぞれの細胞の増殖を促す、2種類の増殖因子を多角体に内包化させ、さらにそれらの多角体を含有した絹糸素材であるテグスを得るための遺伝子組換えカイコを作出した。このテグスは細胞増殖因子を長期間放出する性質を持つ。この性質を利用し、上皮層と真皮層からなる皮膚モデルの構築を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
Fibroblast growth factor-7 (FGF-7)多角体を作るカイコの絹糸腺から作製したテグスを用いて表皮モデルを構築し、モデルとしての有用性を検討した。 多角体とは、昆虫ウイルスが産生するタンパク質微結晶である。この結晶の中に任意のタンパク質を包埋することができ、包埋されたタンパク質は安定に保たれ、少しずつ放出される。本研究ではケラチノサイト細胞増殖因子であるFGF-7を多角体に包埋し、絹糸腺で発現する遺伝子組換えカイコを作出した。絹糸腺は、繭タンパク質を発現する組織で組換えタンパク質発現系として用いられる。FGF-7多角体を発現する絹糸腺をカイコから摘出しテグスに加工した。このFGF-7多角体含有テグスを用いて、表皮モデルを作製できることがわかっている。FGF-7多角体含有テグスを用いて作製した表皮モデルが、皮膚刺激性試験に用いられる動物モデルの代替物として有用であるかどうかを検討するため、50%効果濃度を測定した。その結果、モデルとして強いバリア機能を有していることが示された。 また、 FGF-7を繭糸のセリシン層に分泌する遺伝子組換えカイコを作出した。FGF-7含有セリシン繭を粉末状に加工したFGF-7含有セリシン粉末は、FGF-7を21日以上放出し続け、さらにケラチノサイトの増殖を促した。長期間FGF-7を放出し続ける性質を活かし、FGF-7含有セリシン粉末を用いて16日間の培養が必要な表皮モデルの作製を試みた。作製したモデルを凍結切片に加工し、免疫染色で調べた結果、表皮の各層の分化マーカーを発現していた。よって、ケラチノサイトの層は表皮様に分化していたことがわかった。以上の結果からセリシンは、長期間に渡りFGF-7の活性を保護し、さらに細胞外マトリクス様の働きとしてFGF-7を徐放できることや、表皮モデル構築に利用できることも明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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