Project/Area Number |
19J14631
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田野崎 アンドレーア嵐 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | アンジュー帝国 / 巡行宮廷 / 証書 / 随行員 / ベレンガリア・オヴ・ナヴァール / クイーンシップ / ヘンリー2世 / アリエノール・ダキテーヌ |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、1154~1204年にブリテン諸島南部・フランス西部にわたり存在した、イングランド王国と複数の領邦の複合体である「アンジュー帝国」おいて、王家を構成する各王族の「宮廷」(=王・王族とその随行員からなり、所領内を移動しうる人的集合体)の移動経路や随行員及び機能について分析し、それらを相互に比較検討することで、帝国内の各時期における権力分掌体制の様相を明らかにすることである。 本研究では、ヘンリー2世の家族を初めとする王族の発給証書を主な史料とし、それらの形式(書式)・内容・受益者・発給年・発給地・証人の詳細な検討を行うことで、各宮廷の性質・機能を分析・解明していく。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度には、人文学資料のマークアップ規格であるTEIを用いて、ヘンリー2世・アリエノール以外の王族が発給・関与した証書計277通のXML化・ラベリングを行った。一方で、依然として史料調査のための渡欧が困難であったため、日本国内で可能な範囲で分析を行うために、以降の検討対象を王妃に限定した。そこで、昨今のクイーンシップ研究において失敗例とされた王妃(子供がいない王妃、国王に離縁された王妃等)への関心が高まっている状況を踏まえ、リチャード1世妃ベレンガリアの宮廷人員と寡婦産交渉について検討した。当該年度の分析で判明したことは以下の通りである。 宮廷人員については、随行員とみられる10名弱の人物を確認することができた。その他の王族とは異なり、印璽管理者や書記の機能を担う人物は見られないものの、騎士数名と1名の「王妃のセネスカッルス」の存在は確認できた。このセネスカッルスについては、財務記録上の記述から王妃専属の財産管理人である可能性が強く推測される。 また、ベレンガリアの寡婦産交渉の過程を紐解くために、彼女に関連する証書・書簡23通を分析した。これらより、彼女がイングランド王に権利を主張し自身の生活を保障するため、第三者であるフランス王や教皇といった聖俗双方の権威に絶えず働きかけていた事実を読み取ることができた。 ベレンガリアの関連史料群の分析は、2021年度上半期にも引き続いて行った。当該年度では、ヘンリー3世期の開封証書の記録簿である開封証書録(Patent Rolls)を主な対象とし、寡婦産交渉に関連する11通の記録を分析した。これらより、ベレンガリアの聖俗の権威に対する積極的な働きかけが功を奏し、ヘンリー3世は先王ジョンの支払い計画を早急に見直しただけでなく、彼女やその使者の母国への通行保証を徹底させる等して彼女に最大限の便宜を図っていたことが確認された。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|