Project/Area Number |
19J14640
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小菅 祥平 青山学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | グラフェン / 透明アンテナ / 5G / 透明導電膜 / キャリアドーピング / マイクロ波 / CVD |
Outline of Research at the Start |
グラフェンはわずか原子1層の炭素材料であり、高い導電性や透明性などの特異な特性を有する材料である。本研究の目的はグラフェンを電極材料とする透明でフレキシブルなアンテナの特性を制御し、その設計手法を確立することである。 一方でその特異な物性により従来のマイクロ波工学で用いられる電磁界解析手法では解析できないため、薄膜導体内部を解析する有限要素法などにより解析を行い、グラフェンアンテナの設計手法の確立を目指す。また導電率が金属に比べ約1桁低いためグラフェンアンテナの放射効率は低いという課題があるため、キャリアドーピングなどによりグラフェンの導電率を制御し放射効率の向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は「透明でフレキシブルなグラフェンアンテナの特性制御と設計」の達成に向けて、低シート抵抗と高可視光透過率を併せ持つ3層積層グラフェン膜を電極材料とする接地板付きモノポールアンテナの作製と評価に取り組んだ。 まず3層積層とキャリアドーピングにより、90%以上の高い可視光透過率と80Ω/sqの低シート抵抗を併せ持つグラフェン膜を作製した。波長900-1300nmの近赤外領域における同グラフェン膜の透過率は、キャリアドーピングによって約2.3%上昇することが確認された。これはグラフェンのフェルミ準位がドーピングによって下がり、光励起に起因した電子のバンド間遷移による2.3%の光吸収が無くなる(Pauli blocking)波長端が高エネルギー側にシフトしたためであると考えられる。そのためグラフェンは導電率と透過率にトレードオフの関係がない特異な材料であることが分かった。今後さらなるドーピングによって、近赤外帯だけでなく可視光帯における透過率の上昇も期待できる。 次に低抵抗3層積層グラフェン膜を電極材料とする接地板付きモノポールアンテナを作製した。グラフェンアンテナと参照用のAuを電極材料とするモノポールアンテナの放射パターンに大きな違いは見られなかったことから、本研究で作製した低抵抗グラフェン膜はアンテナの電極材料として金属に近い振る舞いをすることがわかった。そしてWheele cap法により評価したグラフェンアンテナの放射効率ηは52.5%であり、その放射効率は参照用のAuアンテナの放射効率に対し約1/2にまで到達していた。 以上本研究では、グラフェンの低抵抗化によってグラフェンアンテナの特性を制御し、電磁界解析によるグラフェンアンテナの設計を行うことができた。また実用的な透明アンテナの電極材料としてのグラフェンの可能性を見出すことができた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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