Project/Area Number |
19J15165
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
後藤 佑太朗 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 光物性理論 / 磁気秩序制御 / 光渦 / 光の軌道角運動量 / スピントロニクス / マグノニクス |
Outline of Research at the Start |
本研究は,磁気デバイスへの応用まで見据えた「光を用いた磁気スピンテクスチャ制御機構の理論提案」である.特に光渦と呼ばれる軌道角運動量を有する光を用いて,より自由度の高い制御を目指す.まず光渦とらせん磁性のトポロジーが結び付くことによる,光渦誘起のスピンテクスチャが物性に与える影響を明らかにする.その物性への影響を実験実証するための実験条件・光学系や物質系の最適化を図る理論提案を行うと同時に,局所的に照射された光の角運動量のもたらす影響が,非局所的にらせん磁性に与える影響について解析する.また,局所的なスピンテクスチャを制御・操作し,ビット演算などの情報処理といった実用的な応用提案を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
軌道角運動量を持つ光(光渦)の吸収により誘起される金属キラルヘリ磁性体CrNb3S6中での新たなスピン間相互作用を提案し,局在スピン磁気モーメントの光渦照射による変調を数値計算により確認した.2020年度に本件について1報論文発表を行った.また,光渦誘起のスピン間相互作用が変調する,光渦とキラルヘリ磁性体の結合による非自明なスピン波のエネルギー分散関係に注目した.線形スピン波近似の下導出したマグノン分散関係に分岐する2つの例外点が現れ,その例外点の間では固有値に虚部を持つことを確認した.これは単に一様な外部磁場を印加して現れるものでなく,光渦とスピンが結合し系が複雑化するために出現する.このような例外点の存在は量子スピン系についてはこれまで報告されておらず,非常に重要な結果を得た.本成果はスピン波の制御性を向上させ,多値記憶領域を持つ光スピントロニクス素子としての利用の可能性を広げた.本件について1報の論文発表を予定している. さらに,光渦場をパルス光源としたときの局在スピン磁気モーメント変調の時間変化について調べた.その結果,光渦パルスが通過するのに従い変調が育つように大きくなることを,また照射光渦パルスのキラリティに応じた変調をすることを確認した.本成果は,時空間制御されたパルスビーム形成により,電子スピンと光渦との結合を利用してスピンテクスチャを時空間的に柔軟に制御できる可能性を示した.本件について1報の論文発表を予定している. 本研究は,光渦が誘起するスピンの挙動に関するこれまでに提案のない機構に基づく新奇物理現象の理論提案のみならず,スピントロニクス・マグノニクスデバイス応用に向けた具体的な制御手法についても踏み込んだものである.従って本研究の目的である,磁気デバイスへの応用まで見据えた「光を用いたスピンテクスチャ制御機構の理論提案」について達成したものと考える.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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