胎生期における環境化学物質曝露のエピゲノム変化を介した毒性メカニズム解明
Project/Area Number |
19J15480
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 63030:Chemical substance influence on environment-related
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
郷 すずな 岐阜薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | メチル水銀 / エピジェネティクス / 神経分化 |
Outline of Research at the Start |
これまで胎内の環境化学物質曝露がDOHaD説においてリスク因子として懸念されながら、その検証は不十分であった。そこで胎生期化学物質曝露によるDOHaD説を解明する手段の一つとして胎生期曝露が記憶能力などの低下に関連することが報告されているメチル水銀 (MeHg)に焦点をあてた。近年、DOHaD説における後発的影響の発症機序にエピジェネティクスが関連することが示唆されている。以上より、胎生期MeHg曝露によるDOHaD説を基盤とした次世代影響メカニズムの検証をエピジェネティクスに焦点を当てて行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、HDACの発現増加とAcH3の減少、DNMTの発現増加とDNAメチル化増加との因果関係の解明、下流標的遺伝子のエピゲノム解析ならびにエピゲノム標的分子の同定を行った。まずヒト胎児中脳由来不死化細胞 (LUHMES細胞) の神経分化系を用いて、神経前駆段階から神経成熟段階まで6日間、細胞生存率に影響のない濃度のMeHg (1nM) とHDAC阻害剤またはDNMT阻害剤を共処置した。その結果、HDAC阻害剤の共処置によりMeHg曝露によるAcH3の減少が改善し、DNMT阻害剤の共処置によってMeHg曝露によるDNAメチル化の増加に改善が認められた。以上の結果から、MeHg曝露によるHDACの発現増加によりAcH3が減少し、DNMT増加によってDNAメチル化が増加していることが示唆された。また、先行論文より神経分化関連遺伝子に焦点をあて標的遺伝子を探索し、解析を行った結果、MeHg曝露によるNR4A1の発現低下を確認した。NR4A1は神経突起伸長やシナプスネットワークに関連することが報告されている。この結果より、神経分化期MeHg曝露による神経突起伸長抑制およびエピゲノム修飾酵素の発現変化がNR4A1の発現低下に関連する可能性が示唆されるため、今後はNR4A1のエピゲノム変化に焦点を当てて検討を行う予定である。 これまでの結果から、神経分化期における低濃度MeHg曝露によって、HDACの発現増加に伴うAcH3の増加およびDNMTの発現低下に伴うDNAメチル化の増加が生じ、神経突起伸長の抑制が引き起こされることを明らかにした。この成果をまとめて国際学術雑誌Archives of Toxicologyにて報告した。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)