ミシェル・ド・モンテーニュ『エセー』における「自己愛」と「自己知」の様相
Project/Area Number |
19J20049
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 佳生 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2021: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2020: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2019: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | コモンプレイスブック / ロキ・コムーネス / モンテーニュ / エラスムス / リプシウス / ルネサンス / レトリック / キケロ主義 / ネオストア主義 |
Outline of Research at the Start |
西洋古代以来,「自己愛」はどのように受け止められ,単なる執着や甘やかしではなく,自己陶冶である「自己知」と結び付けられるようになるのか。そしてルネサンスの作家たちはこの二つの概念をどのようにみずからの作品のなかで受容し,展開したか。とりわけモンテーニュは自分自身を描きながら,どのように「自己愛」を避け,「自己知」の実践として『エセー』という作品を生み出したのか。本研究はこれらを文献学的に実証する研究であり,モンテーニュを彼が生きた時代の思想潮流に正しく位置付けて理解しようという試みである。
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Outline of Annual Research Achievements |
モンテーニュ『エセー』における引用についてレトリックの観点からアプローチする方向性のなかで見出した「コモンプレイスブック」と呼ばれる見出し語付き引用句の集成の存在について考察を深めた。とりわけ,書物としての「コモンプレイスブック」が形成される以前の問題,つまり「コモンプレイスブック」を形成する重要な要素であるトピック(トポスあるいはロクスと呼ばれる)の概念について,古典レトリックまでさかのぼり理解を深めた。それらは論証や弁論に必要な論拠,あるいは観点を保管しておく「場所」として認識され,弁論家は言論作成の際にそれらを参照することで説得的な論述を組み立てることができた。また同時にそれらは論点を増幅し拡充するのにも用いられ,聴衆の感情に訴えかけることで説得を容易にする効果もあった(ロキ・コムーネスと呼ばれる)。こうした概念的発展とはまったく別に,中世の詞華集の伝統がある。詞華集には注目すべき範例やすぐれた表現などが収集され,並べられているだけではなく,それらを効率よく検索するための索引やトピックのつながりを示す樹形図などが付加されることもあった。こうした詞華集のフォーマットと概念的な「場所」が出会いルネサンスの「コモンプレイスブック」は誕生した。この歴史的経緯についてまとめることができた点は非常に意義深い。 本邦において「コモンプレイスブック」ならびに「ロキ・コムーネス」についての研究は皆無といってよく,この方向へみずからの研究を進められたことは自分のキャリアにおいてのみならず,ルネサンス期のレトリック研究においても,非常に重要な一歩だったといえよう。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)