Project/Area Number |
19J20125
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 04010:Geography-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
高波 紳太郎 明治大学, 明治大学大学院文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2021: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2020: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2019: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 火砕流台地 / 溶結凝灰岩 / 滝 / 遷急点 / 後退速度 / 段丘 / シラス台地 / 河成段丘 / 火砕流堆積物 / 侵食地形 / 串良川 / 大野川 / 沈堕滝 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、溶結した火砕流堆積物(溶結凝灰岩)で構成される台地の地形発達史を解明し、気候変動や地殻変動が後期更新世以降の日本列島における岩盤河川の侵食に与えた影響の検討を目的とする。対象とする溶結凝灰岩台地は北日本の支笏湖周辺と奥入瀬渓谷、西日本の阿蘇および鹿児島湾周辺の4地域である。各地域の河川における現地調査を通じて河成段丘地形の編年と多様な期間に関する岩盤侵食速度の推定を行い、地域間の比較から環境変動と岩盤河川侵食との関係を議論する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本列島に分布する、溶結した火砕流堆積物(溶結凝灰岩)からなる台地の形成過程を明らかにしようとしたものである。2021年度には、溶結凝灰岩台地の地形発達史を異なる地域間で比較し、研究全体の取りまとめを行った。 比較の対象としたのは九州中央部の大野川中流域(阿蘇4溶結凝灰岩)と九州南部の万之瀬川流域(阿多溶結凝灰岩)、そして同じく九州南部の串良川流域(阿多溶結凝灰岩)で、3地域とも後期更新世前期に噴出した火砕流による台地である。大野川では5.4万年前から3万年前の間に沈堕滝が大きく後退し、河岸に侵食段丘地形が形成されたと考えられる。一方、串良川流域は3万年前の入戸火砕流によって厚く覆われたため、入戸火砕流堆積物が侵食されるまでの1万年間ないし2万年間は阿多溶結凝灰岩の侵食が中断した可能性が高い。入戸火砕流堆積物の下に埋没した地形を推定した結果、串良川流域の阿多溶結凝灰岩台地は3万年前までに形成されていた。万之瀬川流域では過去11万年における滝の後退速度が最近300年間のそれを上回った。これらの台地は同じ九州に位置しているが、溶結凝灰岩層の河川侵食が強まる時期に共通性は見出されなかった。これには新たな大規模火砕流の堆積の有無や、台地に接する山地あるいは海域の配置によって、最終氷期における海水準の低下、そして河川への土砂供給に差異が生じたことが考えられる。 北日本で研究対象とした溶結凝灰岩台地については、九州でみられたような段丘地形が確認できず、地形発達史の比較が困難であった。支笏溶結凝灰岩の台地では、滝の下流側の河床も同じ溶結凝灰岩で構成されるという特徴がみられた。 本研究によって、溶結凝灰岩台地に分布する滝の上流側への後退が侵食の前線を移動させるものとして台地の形成および解体に大きな役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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